約 541,618 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/448.html
「ふー」 家に帰ってきて一息、すこし休んだところで買ってきたものを台所の上に広げる。 今日買ってきたのは冷凍ちびゆっくり12個パック、甘さ控えめなもの。 生まれたてのあかちゃんを瞬間冷凍で凍らせもので加工所で売っている。 用途は主に食用だが、他の目的で買っていく人もいるかもしれない。 食べるにしてもなんにしても、まずは解凍する必要がある。 解凍は、真空パックされた袋を切り口をいれる。 中に空気が入ると中の発熱剤が反応してゆっくりと暖められていくのだ。 「…ゆー!」最初に目覚めたゆっくりが声をあげる。 「ゆー!」次に目覚めたのも同様に声を上げ、全員が目を覚ますと、 「「「「「ゆっくりー!!」」」」」みんなで声を揃えてお目覚めの挨拶をする。 「おかーさん!おなかすいたよ!!」 「ごはんにしてね!!」 「ゆー!ゆー!はやくしてね!!」 目を覚ますことなく袋づめされたゆっくりたちにとって、 今、目の前にいる自分物こそが母親である。 「おはよう、みんな!さっそくだけど、みんなこの穴の中にはいってね! はいったらご飯にしようね!!」 そう言って、ゆっくりたちの前に丁度同じぐらいの大きさの穴が開いた板を置く。 「ゆー♪ごはんだよー♪」 「ごっはん♪ごっはん♪」 「れいむがいちばんだよ!いっぱいちょうだいね!!」 「ずるいよ!!そこはれいむがはいろうとしていたとこだよ!!」 「ゆっくりしたけっかがそれだよ!ゲラゲラ!!」 「ゆー!!!もういいよ!!れいむはこっちのあなにするよ!!!」 こうして12匹のゆっくりは6×2個の穴にすっぽりと収まる。 すっぽりとはまりすぎて、あたまから入ったまま動けなくなるゆっくりもいるので 今のうちに直して全員上を向くようにしておく。 「さあ、ごはんだよ!いっぱいおたべ!!」 そういって小麦粉をミルクで練っただけのものを与える。 かすかにミルクの甘味があるだけの塊だがゆっくりにとってはご馳走だ。 食べやすい大きさでちぎってゆっくり達の口にいれてやる。 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「「「「「「しし♪♪あわせ~~~♪♪♪♪」」」」」 順番に口に入れてやることでゆっくりたちの輪唱が聞こえてくる。 「おいしいよ!もっとちょうだいね!!」 「もっと♪もっと♪」 「れいむにも~!!もっとたべたいよ!!!」 「はいはい、お腹一杯食べさせてあげてるからね。」 「やったー!!ゆっくりたべるよ!!!」 「「「「ゆっくりたべさせてね!!!!」」」」 ごはんを心行くまでたべたゆっくりたちはうとうととお昼寝を始める。 そろそろコンロに火をつけよう。 「はい、これデザートね!一人一個だよ」 産地直送のまだピクピクと動いているたこの足を、 ゆっくりたちが食べられるように一口だいに切り分ける。 「zz…ゆゆ!なにそれ!!はやくたべさせてね!!!!」 眠気をどこかに吹き飛ばし、目をきらきらとさせて期待のまなざしでこちらを見つめる12匹のゆっくりたち。 切ったたこの足をさっきと同じように順番に口に入れてやる。 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 先ほどと同じようにゆっくり味わおうとするゆっくりたちであったが今度はそうはいかない。 新鮮な蛸の足は吸盤がまだ生きていて、口の中に張り付いているのだ。 突然の出来事に驚いたゆっくり達は目を白黒させて、吐き出そうとしたり飲み込もうとしたりする。 だが強力な吸盤の力をゆっくり達どうにかすることは出来なかった。焦って吐いたり飲んだりを繰り返していたせいもあるかもしれない。 ゆっくり達がそうこうしているうちに、ゆっくり達が入っている穴もゆっくりと熱を帯びて行く。 やがてジューという音がするほど熱くなるが、蛸の相手に精一杯なゆっくり達は気づく余裕がなかった。 そんな中、ゆっくり達の一匹が異変に気づく。 それにつられて他のゆっくりも悲鳴をあげ始める。 ゆっくり達が入っている穴はどんどん熱くなるが、そこから逃げることは出来ない。 さっき心行くまでご飯を食べ、少し膨れたゆっくりたちは穴にすっぽりと嵌ってしまったのだ。 鉄で出来た板はどんどん熱をあげ、ゆっくり達の皮に焦げ目をつけていく。 最初は全力で悲鳴をあげていたゆっくり達も随分静かになってしまった。 そろそろいい頃合だ。太い針のような棒を使ってゆっくり達をひっくり返す。 まず、鉄板から剥すために穴に沿って焦げ目を削る。 次に、次に棒を下の方まで差しこんで、クルリとまわすようにひっくり返す。 ひっくり返したらしばらくそのまま。 ピクピクとした震えが止まったら丁度いい頃合。 同じ要領でもう一度ひっくり返す。 白目を向いて焼きあがっているゆっくり達が見えたら、はい!完成!! あとは、ソースやマヨネーズをお好みでどうぞ あとがき 後半はどうみても手抜きです本当にありがとうございました。 ゆっくりの台詞をひらがなで打っているとIMEがどんどんゆっくりになっていきます。 本当にありがとうございました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/816.html
山の中をゆっくりと歩く。 普段からこの近辺の里の人間はこの山の恩恵を預かっている。 その山にゆっくりの群れが移住してきたというので私がそれを確かめに行く事になった。 山の中を歩いていると程なく目的の物体を見つけた。 言うまでもない、ゆっくりだ。 「ゆ~♪みてまりさ!ここにはごはんがいっぱいあるよ!!」 「本当だねれいむ!ここはゆっくりできるね!」 オーソドックスなペアの饅頭を見つけると私は話しかけた。 「やあこんにちは。ゆっくりしているかい?」 「「ゆ!ゆっくりしていってね!!」」 こちらに気づいてお決まりの挨拶を返した 「おじさんもゆっくりしていってね!」 「おじさんはゆっくりできるひと?」 まだ対して山に踏み入っていないのに見つかるとは……思ったよりも人里の近くに住み着いたんだろうか。 「ああ、ゆっくりできるよ。ほら、これをやろう」 そういって私は持っていた袋の中からお菓子を渡してやる。 「「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!!」」 よし、食ったな……。 「「おじさんありがとう!もっとお菓子をちょうだいね!!」」 さてと、目的を果たさないとな 「ああ、もっとあげよう、ただその前にちょっと聞いていいかい?」 「「ゆ!ゆっくりきかせてね!!」」 私は質問を続けた。 「君たちの群れのリーダーに会わせてくれないかい?」 「りーだー?ねえまりさどうしよう?」 「ゆ!だいじょうぶだよれいむ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!」 「わかったよまりさ!ゆっくりつれていこうね!」 「「ゆっくりついてきてね!!」」 そういってゆっくりたちは私を案内する様に跳ねていった。 よし、まずは成功と。 少しの間歩くと、開けた草原にたどり着いた。 ここは里から来た時に休憩に使ったりする人も多い場所だ。 今は山に立ち入る時期でもないから人の姿を見る事はない。 その代わりに、大量のゆっくりがゆっくりとしていた 数が多いな……。 「「ゆ!ついたよ!!ゆっくりおかしをちょうだいね!!」」 全くこの饅頭、もう約束を忘れているな。 「その前にリーダーを連れてきてね。そうすれば皆にもお菓子をあげるよ」 そんな問答をしていると、突然目の前に鈍い音を共に巨大な何かが降ってきた。ふむ、これは…… 「「「どすまりさだーー!!」」」 ゆっくりの群れってのはドスが登場する時は必ずこう言うのであろうか?まあどうでもいいが とつぜんのドスの登場に群れのゆっくり達も集まってきていた。 「ゆ!人間がなんの用なの!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!」 そう言って威嚇している。 「ゆゆ!ちがうんだよどす!!」 「そうだよ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!!」 「ゆ?どういうことなの?」 そうドスが聞き返したので代わりに答える。 「いやなに、最近ここらにゆっくりが住み着いたっていうからね、これはお近づきの印だよ」 そう言うと私は持っていた袋を逆さまにして中身をぶちまけた。 あふれ出るお菓子の山に集まっていたゆっくり達は呆然としていた。 「ゆ?ゆゆ??」 「おかしだ!ゆっくりできるよ!!」 「でもにんげんのもってきたものだよ!たべたらゆっくりできなくなるかもしれないよ!!」 「ゆ~でもおいしそうだよ!!」 「おか~しゃんゆっきゅりちゃべたいよ!!」 突然の出来事にゆっくり達がざわめく。ここで一斉に群がらなかったのは意外ではあった。 「ドスまりさ、私は別にお前達をどうこうしようと思ってきたわけじゃない。ちょっと聞きたいことがあるんだ」 とつぜん食べ物をくれる人間に正直戸惑いを隠せないドスまりさだが 食べ物が増えるのは正直望ましい。 「だいじょうぶだよどす!」 「さっきまりさたちもたべたけどゆっくりできたよ!」 その言葉が決定打になったのか、ドスまりさは私のほうに向かって口を開いた。 「分かったよ!人間さんはゆっくりできそうだね!皆!食べてもいいよ!!」 その言葉を皮切りに、群れ全体がお菓子の山に向かって殺到していった。 ゆっくり達の群がる山から聞こえるしあわせ~の連呼。 それを尻目に私はドスまりさに質問を始めた。 「じゃあ聞きたいんだがドスまりさ。お前達はなんでここに移住していきたんだ?」 「前に済んでいたお山さんがゆっくりできなくなっちゃんだんだよ!!」 「ふむ…それは何でだ?」 「皆でゆっくりしようと食べ物を集めていたんだけど、虫さん達やお花さんたちがいなくなっちゃったんだよ!!」 「なるほど、それでここに来たのか」 そこまで聞いて私は話す内容を変えることにした。 「ところでドスまりさ。お前はいっぱいリボンがついているな」 「そうだよ!皆が自分の命よりも大事なおリボンをつけてくれたんだよ!!」 そういって誇らしげに胸(?)を張った。 「そのリボンはこの群れのゆっくりたちのなのかい?」 「そうだよ!それだけ皆に信用されているんだよ!!」 「ふぅむ。なあドスまりさ、それは群れの皆のリボンなんだよな?」 「そうだよ!さっきも言ったでしょ!!」 ……こいつは気づいていないのか? 「じゃあドスまりさ。なんでここのゆっくり達はお前にリボンを預けているのに、リボン無しのゆっくりがいないんだ?」 「……ゆ?…ゆゆゆ!??」 ここまで言われてやっと気づいたらしい、この群れには飾りのないゆっくりが一匹もいない事に。 「どゔい゙ゔごどな゙の゙ーーーー!!!??」 その言葉を聞いて一匹のゆっくりれいむがドスに近づいてきた、このタイミングで来たってことはサブリーダーか何かかな? 「どうしたのどす!ゆっくりしようよ!」 「れ゙い゙む゙!!ごの゙り゙ぼん゙ばど゙ごがら゙もっ゙でぎだの゙ーーー!!? その一言で察したのか、ゆっくりれいむは慌てた様子だった。 「ちがうんだよどす!これはどすがよろこぶとおもってみんなでやったんだよ!!」 「ゆ゙ゔゔゔ!!?どゔじでぞん゙な゙ごどずる゙の゙!??」 尚も言い募るれいむだが横槍を入れてやる 「あーあ。可愛そうにな、そのリボンのゆっくりたちは今頃全然ゆっくりできなくなっているだなあー」 「ゆ゙ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!??」 ドスまりさはショックで叫んでいる。さて少し様子をを見るか。ちょうど騒ぎを聞きつけたゆっくり達が固唾を呑んでいる。 ……しばらくたって叫び続けていたドスまりさがいきなり黙った。落ち着いたようだ。 さて、どうでるかな。 「ゆうう……。仕方ないね!おリボンを取られたゆっくりは可哀想だけど皆でゆっくりしようね!!」 ふむ……それがお前の答えか、ドスまりさ。 その答えを聞いたゆっくり達は安心したかのようだった。 「そうだよ!しかたないよ!」 「どすにつけるからっていったのにいやがったゆっくりたちがわるいんだよ!」 「れいむたちのリボンはあげちゃうとゆっくりできなくなるからそうしたんだよ!しかたないよね!!」 次々と言い出すゆっくりたち。 さて、じゃあ最後の仕事にかかるかな…。 「ふーん。まあいいや、ところでドスまりさ。ちょっとこっちを見てくれ」 「ゆ?ゆっくり見るよお兄さん」 そういって素直にこちらを見つめるドスまりさに 私は隠し持っていたものをゆっくりを突きつけた。 「ゆゆ?お兄さんそれは何?」 そう言ったドスまりさの声と、突きつけられたものから出た轟音は同時だった。 「ゆ゙っぎ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙っ゙ぃ゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い」 「「「「「「どずま゙り゙ざがあ゙あ゙あ゙あ」」」」」」 轟音の後には片目から大量の餡子を流して悶えるドスまりさと、それを見て混乱に陥ったゆっくりの群れだった。 別にたいしたことはしていない、ただ隠し持っていた猟銃をほぼ零距離でドスまりさの目に向かって撃っただけだ。 いくら硬い皮だといっても目は別だ、至近距離で当てれば目を突き破り中まで弾丸で抉られる。 変わったところといえばその猟銃は隠しやすいように銃身を切り詰めてあるのと、中に入っているのが対巨大ゆっくり用の 弾丸である所くらいだ。その弾丸はゆっくりの体内で反応を起こしてゆっくりの餡子をどろどろにしてしまう。 即効性が高く即巨大ゆっくりを行動できなくして、じわじわと死に至らしめる。 この弾丸、試してはいないが実はドスまりさの皮に当たっても体内にめり込んでくれるらしいので、当たりさえすればいいらしいが わざわざ目に撃ち込んだのこの方が苦しいからというのと、弾丸を撃ち込むゆっくりは大体気に食わないというだけだ。 普通ならば銃を突きつける前にドスまりさに警戒されるようなものだが、前もってお菓子を与えた事と話をしたことで ワンクッション置いてから、握手をするように銃を突きつけたことがドスまりさの判断を鈍らせることになった。 「さてドスまりさ、お前に言っておくことがある」 「ゆ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙」 身悶えているがこちらを睨んでいる事から聞こえてはいるだろう。 「お前は前いた山から食べ物が消えたといったな?それは間違いだ。お前達が後の事を考えずに取りすぎた結果だ」 「ゆ゙……だっ゙でだべも゙の゙な゙い゙どみ゙ん゙な゙ゆ゙っ゙ぐり゙でぎな゙い゙でじょ゙よ゙お゙お゙!!」 「それも間違いだ。お前が群れを考えなしに肥大化させずに管理していれば、その山はそんな事にはならなかった」 さらに私は続ける 「そしてお前は自分のリボンは他のゆっくりを犠牲にしたものであるにも分かったのに外さなかった。自分の群れの事しか考えられない お前達はこの山を食い尽くし、その後は近くの人里にも襲い掛かるだろう。そんな群れはここに置くわけにはいかない」 まあ他にも言いたいことはあるが大まかにはこんなものだ。 「ぞん゙な゙ごどじな゙い゙よ゙お゙お゙お゙お!!!!」 弾丸の毒が効いて動けないドスまりさが叫ぶ。 叫びながら餡子を口から大量に吐き出した。あ、なんか幻覚とかドスパークとかに使うキノコも一緒に出てる。 これで完全に危険は無くなったな。まあどのみち後は死ぬだけだが。 「お前がどう思おうと別にそれはどうでもいいんだ。問題はお前達はいずれはそうするから駆除するって事だけさ」 そう言いながら、私は用が済んだので帰り支度をする。 そうしている私の周りをゆっくり達が取り囲んだ。 「よ゙ぐも゙どずを゙ごろ゙じだな゙!お゙ま゙え゙ばゆ゙っ゙ぐり゙じね゙!!」 「「「「「「「ゆ゙っ゙ぐり゙じね゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」」」」」」」 そう言って群れ全体が波のように私になだれ込んできた。 もうドスは死亡認定かよ。 ここで反省すれば死なずに済んだかもしれないのに…。 そう思っていると私を囲んで突進してきたゆっくり達が私にたどり着く前に突進する勢いのまま倒れ込んでいった。 「ゆ゙ゔ!!ぐる゙じい゙よ゙お゙お゙お゙!!」 「どゔじでえ゙え゙え゙え゙え゙!!」 「ゆ゙ぎゅゔゔゔゔぐる゙ぢい゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙゙!!!!」 まあさっきあげた菓子にも当然一服盛ってある。 これも特殊なものでゆっくりのみに反応する毒らしい。 食べても普通に生活する分には問題は無いが、殺意を持った攻撃を仕掛けたりする位興奮すると反応するらしい。 それにしてもこれをくれたあの鬼意山…一体どうやってこんなものを。 そう思いながら私はゆっくりと苦しみながら壊滅するしかない群れを後にした。 私のする事はたいしたことではない。新しく来たゆっくりの群れがそこにいても大丈夫なものかを判別するだけだ。 山の生態系を再起不能なまで壊さないか、人間に害が無いかぐらいを確かめて、大丈夫ならば何もしない。 どんな群れでもとりあえず毒入りの菓子は渡しておく。 群れが心変わりした時の為の、言わば保険だ。 毒の効き目は一世代のみらしいので次の世代のゆっくりや新しく群れに加わったゆっくりがゲスだったりしたら あまり意味は無いが他の問題は別に対処する鬼意山がいるので私の考えることではない。 あくまでも私のすることは住み着いた時点のゆっくりの査定だけだ。 最近はドスのふりをした巨大ゲスゆっくりとかもいるらしいし、案外今回もそうだったかもしれないなあ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2024.html
ゆっくり転生(前) 時代は現代の日本で数年前にゆっくりが発生したという設定です。 初投稿にて至らない点も多いかと思いますがどうかご容赦ください。 ---------------------- ある日俺はネットで面白いサイトを見つけた。 そのサイトによるともうすぐゆっくり達の異常発生により世界が滅ぶらしい。 滅亡後の世界で生き残るためにはゆっくり達と契約し使役するしかない、と。 そしてそのサイトではゆっくりと対話し仲ゆっくり(仲間のゆっくり版らしい?) にするための”ゆっくり召喚プログラム”がアップロードされていた。 トンデモな話だが最近やったゲームに似てて面白そうなので試すことにした。 それからしばらくして俺は学校の裏山に到着した。 ゆっくり達は基本的に街中には下りてこないので山の中のほうが見つけやすい (当初街中にも出没していたが殺されまくって人前に出なくなった) 裏山に来てから10分くらい経った頃、2匹のゆっくりを発見した。れいむ種とまりさ種1匹づつだ。 俺は早速ゆっくり召喚プログラムの『翻訳』機能で会話して見ることにした。 一般的に人の話を聞かないと言われるゆっくり達だが 実は同じ台詞でも微妙な発音の強弱により同じ発言でも意味が異なってくるらしい。 そのため一見会話が通じているようで通じていないためゆっくりは話を聞かないと思われているのだそうだ。 「「ゆっくりしていってね!」」 ゆっくり達がお決まりの台詞を喋る。一見ただの挨拶だが召喚プログラムは適切に翻訳をしてくれた。 (以下『』内は翻訳した内容) 『その姿…キサマ人間か?』 『何をしに来たのか知らないけど私たちは争う気は無いわ』 なんと、”ゆっくりしていってね!”の一言にこんな意味が含まれていたとは! 俺は感動で踊りたくなる気持ちをこらえこいつらを仲ゆっくりにするべく交渉して見ることにした。 「俺もお前たちに危害を加えるつもりは無い、ただ仲ゆっくりになって欲しいだけなんだ」 俺の言葉をプログラムが翻訳する 『ゆっくりしていこうね!』 …今の台詞をどう翻訳したらこうなるのか。本当にこれで通じるのか? 二人はひそひそと話し合っていたようだがやがて俺に答える 「おにーさんかわいいれいむ達にたべものよこしてね!」 『ワシらに協力して欲しいのなら貢物をよこせ!まずは食べ物じゃ!』 …この辺は翻訳する必要ない気がするな。だが見返りを求めてくるのは想定の内。 交渉用にもってきたお菓子をゆっくりたちに渡す。 「むしゃむしゃ…うめ!これめっちゃうめ!」 『これはなかなかいけるのう…だがこれだけでは足りん!もっとよこせ!』 俺はゆっくり達の望むままに食べ物を与え続けた。だがゆっくり達は欲深く際限なく食べ物を要求する。 やがて2匹は俺の持ってきたすべてのお菓子を平らげてしまった。 …このお菓子で10匹くらいは仲ゆっくりにする予定だったのに。 「おにーさん早く新しい食べ物もってきてね!」 『もう食べるものは無いのか?はやく新しい食べ物をもってこい!』 これだけ大量のお菓子を食べておきながらさらに食べ物を要求するゆっくり達。まさかこいつらDARK SIDEなんじゃ… 餌による交渉は無理と判断し武力によって仲間に引き入れることにする。 俺は懐からエアガンを取り出しゆっくりに銃口を向ける。 「ゆゆ?おにーさんなにしてるの?」 『なんじゃ?話がしたいのなら銃をおろすのが礼儀じゃぞ?』 俺は無言でゆっくり達の足元に銃をなんどもぶっぱなす。 「あびゃびゃびゃびゃびゃ!やめてね!痛いののやめてね!」 『ワオーン!ヤメテクレヤメテクレ!』 「ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!ま゛り゛ざだぢがわ゛る゛がっ゛だでずぅ゛ぅ゛ぅ゛!」 『貴様に従う…だから現世から消さないでくれ…!』 どうやらゆっくり達を仲ゆっくりにするためには友好的に接するより威圧的に接したほうが良いらしい やはり自分より低LVの奴を仲間にするには力でねじ伏せるに限る。 その後もであったゆっくり達に威圧的に接することにより計10匹のゆっくりを仲ゆっくりにすることに成功した。 仲ゆっくりにする時力づくだったためかゆっくりたちは皆傷ついていた。 最初に交渉したゆっくり達は足に当たる部分が擦り切れ焦げていたし、他にも目を潰されたもの(俺に) 髪の毛をむしられたもの(俺に)、全身打撲で息をするのがやっとのものだ(俺が殴ったから) だが生きてさえすればいい、俺の本当の目的はゆっくりを仲ゆっくりにすることではなかったのだ。 俺は仲ゆっくり達を連れて例のサイトに紹介されていた”永遠の館”へと向かった。 ゆっくり転生(中) ”永遠の館”はテナントビルの3Fにあった。 周りを見渡すと俺と同じゆっくり召喚士が沢山いる。 一見普通の青年やいかにも虐待お兄さん風など風貌は様々だったが 皆奇妙な形のゆっくりを連れていた。頭に角を生やしたもの、皮膚が岩のように硬いも…etc。 俺はこれらのゆっくりがゆっくり合体で作られたものだと気づいた。 「”永遠の館”へようこそ。あなたもゆっくり合体をしにきたのね」 店員が俺に話しかける。てっきりサンタのように髭を蓄えたおじいさんかと思ったが 店員は若くてきれいな女性だった。 「あ、はい…ここに来るのははじめてなんですけどいいですか?」 「もちろんよ、最初に他の人が合体させるのを見るといいわ」 彼女が指差す方を見るとちょうど虐待お兄さん風の男がゆっくり合体を行い始めたところだった。 巨大な二つのビーカーのようなものにゆっくりと別の生き物をそれぞれ入れている。 「やめさない、とかいはのわたしはこんなせまいところはにあわないんだわ!」 お兄さんはゆっくりありすとゴキブリを合体させていた。 てっきりゆっくり同士を合体させるものだと思っていたが違うらしい。一体どんな生き物が誕生するんだろう… 合体装置がビカビカと光り、ゴロゴロと音が鳴る。 「い゛ぎや゛あ゛あ゛あ゛あ゛!あ゛り゛ずの゛か゛ら゛だ゛が゛あ゛あ゛あ゛!」 『ワレハ ヨウチュウ ゴキアリス コンゴトモヨロシク…』 装置が動きを止めた後出てきたのはソフトボール並みの大きさのゴキブリだった。 普通のゴキブリと違うのは大きさだけでなく腹にゆっくりありすの顔がついている。 ぶっちゃけかなりキモい。子供が見たら絶対トラウマになるだろう。 「ごん゛な゛がら゛だは゛い゛や゛あ゛あ゛あ゛!も゛どの゛がら゛だに゛も゛どじでえ゛え゛え゛え゛!」 『強靭ナ体ヲ手ニ入レルコトガデキテアリスウレシイ』 召喚プログラムはありすの言葉を翻訳する。いや絶対そんなこと喋ってないだろ… 「ごん゛な゛どごででい゛っ゛でや゛る゛う゛う゛う゛!」 ゴキアリスの様子を見ていたが大きくなって耐久力が増した分、体が重くなって動きが遅くなっているようである。 虐待お兄さんから逃げようと無様に足を動かすが亀のように歩みが遅く簡単に捕獲されてしまう。 虐待お兄さんは素手でそのゴキをつかむとあっさりと壁に叩きつける。 「い゛ぎゃ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!い゛だい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!」 それを見て虐待お兄さんは微笑む 「よし、これでひどめに虐待しても死ななくなったな。これからは今まで以上にしっかりと虐待してあげるよ」 虐待お兄さんはゴキを持ってきた虫かごに入れるとスキップしそうな勢いで帰っていった。 「次は僕の番だね」 虐待お兄さんが帰った後温和そうなお兄さんが現れた。仮にゆっくり愛でお兄さんとしよう。 愛でお兄さんはゆっくりれいむと花を装置に入れ合体させる。 すると花のようにきらびらかなれいむが現れた。 「ゆっ!みてみて!れいむすっごくきれいになったよ!」 「よかったねれいむ」 愛でお兄さんもれいむも嬉しそうにしている。 だがれいむは愛でお兄さんに近づこうとしてあることに気づく 「ゆっ?れいむうごけないよ」 れいむの下腹部は植物のように根をはっており鉢植えのなかから抜け出せないようになっている 「なにこれ!?おにーさん、れいむをたすけてね!」 愛でお兄さんは相変わらずれいむに微笑みながら言った 「心配しなくてもいいよれいむ。ちゃんと毎日僕が餌をあげるからね。動けなくても困ることは無いよ」 い゛や゛あ゛あ゛あ゛!れ゛い゛む゛う゛ごげな゛い゛の゛ばい゛や゛あ゛…フふぇ、ヴェクジョン!」 急にれいむはくしゃみをしだした。どうやらこのれいむ花粉症らしく自分の体からでる花粉でくしゃみが出るらしい。 愛でお兄さんは微笑んだままれいむを透明なケースに入れる。そのケースは防音らしくれいむの泣き声もくしゃみの音も聞こえない。 「きれいだよれいむ」 愛でお兄さんは満足した表情のまま帰っていった。 さて次はいよいよ俺の番だ。ゆっくりと何を合体させるか…俺は仲ゆっくりにしたゆっくりを眺めながら考えた。 ゆっくり転生(後) 俺はふと疑問に思ったことを店員のお姉さんに聞いて見た。 「もしゆっくり同士を合体させたらどうなるんですか?」 「わかりやすくいえばゴ○ンクスみたいになるのよ。うまくいけばお互いの長所を受け継いだゆっくりになるけど 運が悪いとお互いの短所を持ったゆっくりになるわ。だから最近はだれもゆっくり同士を合体させないの」 ”レアゆっくりを作る”という俺の野望はあっさりと打ち砕かれた。しかしお姉さんの口からゴテ○クスという単語が出るとは… 「あ、でも例外的に同じ種類のゆっくりを10匹合体させるとキングゆっくりになるわよ。手軽に強化できる反面 体が大きくなる分食費も10倍になるというデメリットもあるけどね」 今度はド○クエかよ…てっきり○神転生かと思っていたのに鳥○明恐るべし。 その時唐突に今履いている靴下に穴が開いていることに気がついた。よし、これとゆっくりを合体させて見よう。 俺は靴下とゆっくりを合体させて見た。するとゆっくりの顔が印刷された靴下ができあがる。しかも開いていた穴はみごとに塞がっていた。 おそるおそるその靴下を履いて見ると女性の肌のようにすべすべとし見事に俺の肌にフィットする。思ったより履き心地は良いようだ。 「むぎゅ~くさいよ~」 俺は靴下の声を無視してそのまま靴を履いた。顔の部分を足で潰され靴下は喋れなくなる。 今度持っている靴下を全部これに変えてみよう。 「ゆっくりと道具の合体か。なかなかいいアイデアだね」 いつの間にか先ほどの虐待お兄さんが背後にいた。いつのまに…!というかさっき帰ったんじゃなかったのか? 「試しにこれとゆっくりを合体させて見るよ」 虐待お兄さんはどこからか日本刀を出した。明らかに銃刀法に触れる長さだ。 本日何度目か知らないが合体装置はゴロゴロと音を鳴らしながらゆっくりと刀を合成している。 その時俺はまたあることを思いついた。 「こういうのはどうでしょうか?」 俺は合体装置の中でどろどろと溶け始めているゆっくりをライターで燃やして見た。 「ゆっ?なんだか熱いよ!ゆっくりはやくやめてね!」 合体装置は刀と燃えたままのゆっくりを合体させた。 「ほほうこれは面白いですね」 出来上がったのは刀身が燃え盛っている刀だった。どうやら燃えているゆっくりと刀を合成させることにより火属性の武器を作ることに成功したらしい。 「あ゛づい゛い゛い゛い゛!ばや゛ぐびを゛げじでえ゛え゛え゛え゛!」 よく見ると柄の部分がゆっくりの顔になっていた。刀身が燃えているためゆっくりは常に炎にさらされていることになる。 だがゆっくりは県の一部となっているため逃げることも焼け死ぬこともできず永遠に炎に焼かれ続けるのだ。 「これはいい武器ができた」 虐待お兄さんはクックと笑いながら今度こそ帰っていった。 虐待お兄さんの登場で気がそがれたが最後にキングゆっくりを作ることにした。 キングゆっくり作成にはゆっくり10匹が必要らしいが俺が持っているのは種族ばらばらのゆっくり9匹。 まあ何とかなるだろう。ゆっくりを合体装置に入れて…スイッチON! 「バモアgvbヲkガpァウェア、バp!!!」 突然合体装置が振動し煙を吐いたかと思うと中からどろどろにとけたゆっくりがでてきた。 スライムのようにぐちょぐちょでヘドロのようなにおいがするがなんとか生きているようだ。 「ごめんなさい、合体事故が起きちゃったみたい…」 まだ合体装置は不完全のようで低確率で失敗が起こるらしい。 俺はとりあえず失敗ゆっくりを連れてビルを出たがあまりの臭さに途中でドブ川に捨てていった。 失敗ゆっくりはゆっくりと川を流れていってやがて見えなくなった。 -終わり- このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3510.html
*fuku5204の表示を調整したものです。* *虐待少な目です* *とても良い目に合うゆっくりがいます* *とても良い目に合うお兄さんがいます* 踏まれてゆっくり とてもゆっくりできる場所で、今までに誰も見たことのないゆっくりが居る。 目撃されたと噂されている、その時点で語るに落ちてはいるのだが、つまりは 新種のゆっくりだろう。 ゆっくりづての話ではあるが、暇だった私はここを訪れたのだ。 人の立ち寄らぬ山奥。ゆっくりがゆっくり出来る、ここ一帯の中でも最高のゆ っくりプレイスがあると、ゆっくり達は言っていた。そうは聞いていたが、まさ かこれほどまでにゆっくりしているとは思いもよらなかった。 最も近隣の村から数えて、約1万5千ユクリード(1ユクリードは標準的なゆ っくりが一跳ねする程度の距離)程はあるのだろう。人も踏み込まぬ聖域と化し たこの場所は、谷と急斜面が入り組んでいることもあり、獣も少ないのだろう。 華咲き乱れ実りは熟し、穏陽差し込み抜ける風蒼し。豊穣の女神が2ダースくら い乱舞しているのかと思わせるような、ゆっくりの楽園であった。 世話をしているゆっくりを共に連れてきたのだが、かつて見せたこともないほ どゆっくりした表情を浮かべている。 「わかるよー」 しきりに頷いているのが、なんかずるい。 その「誰も見たことのない新種のゆっくり」は、ひっそりと木陰で涼んでいた。 「ゆっくりしていってね」、と挨拶する。『ゆっくりしていってね!』、そう返 事が来るものとしか思っていなかった私は、衝撃を受けた。 「ああ、是非ゆっくりして行ってください」 礼儀正しい!? 「わかるよー、ゆっくりしていくよー!」 それに比べてうちの子は。しかし、妙に嬉しそうだな。「らんしゃまを探す」 「見たことの無いゆっくりと友達になる」。目的の半分を消化したのであるから、 わからないでもないが。実を言うと、ただ山を歩き回るだけでなく、こいつのお 婿さんを探してたのである。新種が見つからなかった場合の、精神的口実に備え て。両方やらなければならないというのが、ゆっくり飼い主としては辛いところだ。 「よろしくね、ちぇん。それと、おね……にいさん?」 「おねえさんだ馬鹿者」 近寄って軽く踏みつける。 短めの髪に活動的な雰囲気を身にまとった私は、まあ男性に見られることも少 なくないのだが、とはいえ乙女の純情を踏みにじった対価は、自分が踏みにじら れることで支払わせるしかないだろう。 ちなみに山林を踏破するためにくるぶしまで隠れる丈夫なズボンを履いて来た ため、躊躇はない。 小娘が好んで着るようなひらひらとしたスカートであっても、躊躇はなかった だろうが。 まあそんな服飾は私には似合わないんだよなと――背中に忍び寄りつつある嫌 な予感から逃避するかのように、足の下に居るゆっくりとやらをやさぐれた心の 傷だけぐりぐりと踏みにじる。耳に良い影響を与えないような音響は、脳の片隅 で遮断しているので、例えばゆっくりみたいな変な物体の泣き叫ぶ声とかそんな 音があったとしても、何も聞こえない。あーあー、きこえなーい――考えつつ、 多分20分くらい続けて、諦めた。 「で、ちぇん。これ何ゆっくりだ?」 「ゆっくりはゆっくりだよ? わかるよー?」 小首をかしげる猫又なゆっくり。ううむ、かわゆい。近くの木に寄りかかり、 頬をつい、となぜてやる。 「たとえばお前はちぇんだな。向こうではしゃいでいるのは、まりさやれいむだ。 さてこいつは何ぞや?」 「むむっ! うーと、まりさ……いやぱちゅりー……? わ、わからないよっ!?」 だろうなあ。視線をさまよわせて悩み込んだちぇんを尻目に、観察してみる。 まず目につくのは飾りの多さだ。まりさの帽子やれいむのリボンなど、ゆっく りの飾りの切れ端を、ドスまりさもかくやと言う程に髪に飾りつけている。黒髪 は5分で刈り上げ、黒目をまとうまつ毛の切れは、なかなかに鋭いものを思わせ る。ゆっくり特有の下ぶくれはなく、全体的に精悍な顔つきだ。 こんなところより公園のベンチでツナギを着たまま座っているのがお似合いな 印象を受ける。あくまで印象だけだが。赤く染まった目元に残る涙の後が、過去 にあったであろう悲惨な不幸を思わせる。きっとたぶん明かに確定的に、今日以 前の過去にひどい仕打ちに遭遇した、その名残なのであろうな。 つーかもしかしなくても、こいつってさ。 「はい、自分は『ゆっくりおにいさん』です。ゆっくりしていってね。もう痛い ことはゆっくりやめてね!」 誰何の疑念が声に出ていたらしく、そいつは礼儀正しく自己紹介した。 「ていうかお前ゆっくりじゃないだろ。地面に埋まって、首を出しているだけだろ!!?」 「はっは、ばれましたか。自分はこうやってゆっくりとしむぎゅ」 勢いをつけて顔の中心を踏み抜く。 バカバカしいぞ本当。乙女がこのためだけに、一体何日の野宿を重ねたと言う のか。その柔肌を幾度の雨露に曝してきたと言うのか。 「い、痛いですっ!?」 「黙れ馬鹿」 自分がおろかであることを否定するかのごとく、目の前の「ゆっくり」を踏みに じり続ける。 「あ、あまり上品だとは言えませんよっ!?」 「もし自分の精神安定のためだけに他人を攻撃するとしたら、その人格は社会から 否定されることだろう。それほどまでに忌むべき行為であろうな。が、このまれに 見るゆっくりプレイスにいるのは、どうやら私と、とてもゆっくりしているゆっく りだけのようだ」 「いや自分は」 「そして人里では野良ゆっくりを攻撃することは村全体への間接的奉仕となるため、 この行為はもうまったくの慈善活動だ。やれやれ、自己を省みない奉仕の心が、ど うやらここでも遺憾なく発揮されてしまったようだな。本来ならば何らかの対価を 以て充当すべき行為ではあるが、その支払いに応じてくれるような存在は、山二つ を超えてなお存在しないのであろうな。我が事ながら頭が下がってしまって、もう 諦めて力任せに足を踏みにじるくらいしかやることがない」 「その足の下には哀れなおにいさんが居るんですけどねっ!?」 「もしお前が『おにいさん』とか言う、人間に準じる程度の小汚い種族であるならば、 何かそれを証明出来るよなあ。具体的にはこの行為への対価だが。いやいや何とは言 わないが、まあ亜人間種であることを証明することの出来る程度には価値のある、社 会経済を発展させる上で極めて重要な位置づけを占める物とか」 「お、お金なんて持ってませんんんんんっ」 例え身につけていたとしても、私には掘り起こせないのだろうが。 「おやおや、声はすれども人の姿は見えず。果てさて、面妖なことじゃなー。ちなみ に棒読みだ。あまりにも感情が入りすぎて棒読みに聞こえないかもしれないが、それ は内面からにじみ出る憤怒によるものであるが、私はちゃんと棒読みを心がけている のだぞ。ぐりぐり」 「やべでえええええ」 空が青いなあ。帰るの面倒だなあ。どうやって帰ろうかなあ。らんしゃま見つかる かなあ。見つかるといいなあ。 「自分は、自分は、……虐待お兄さんなんですぶううううう」 ふと、ちぇんを見やる。どうやら馴れないことを考えていたからであろうか、寝て しまったらしい。ゆっくりとしている夢でも見ているのだろう、ぴくぴくと反応する しっぽがほほえましくて、ついつい足にも力が入るというものであった。 「わかるよー! ……わかー?」 先ほどのゆっくりプレイスから、斜面を少しばかり上った所。 土中に埋まっていた、自称ゆっくりおにいさんこと元虐待お兄さんから、労働及び 赤く汚れた靴の対価として借り受けた――巻き上げたわけではない。あくまで有利な 状況で結んだ賃貸契約に過ぎない――、小さめの屋敷とでも言えるくらいに頑丈で広 い作りとなっている山小屋で人心地ついていると、目覚めたちぇんが不思議そうに見 回していた。 「さっきのゆっくりはね、ゆっくり出来ないゆっくりだったんだ」 「わ? わからないよー?」 眉を寄せるちぇんに――ついでにしっぽもくるりと丸まっている――、ゆっくりと 説明をする。 土中に埋まっていた変人は、つまるところ虐待に飽きた元虐待お兄さんであった。 人との交流を避け、来る日も来る日もゆっくりを虐待していたため、一切の新鮮味が 無くなってしまったのだという。生きる糧を失った彼は、ゆっくりとして生きること で逆にかつて持っていたゆ虐の精神を取り戻そうと考えたそうだ。ところが何の因果 か、彼にはゆっくりをゆっくりさせることの出来る才能があったらしい。自ら土に埋 まりながらも、ゆっくりに排斥されることなく、珍しいゆっくりとして認識され、慕 われたのだと言う。各種の飾りはその慕情の証であったのだろう。とは言え食事や生 活など何らの考えなく埋まった彼にとって、ゆっくり達からの援助無くして生きるこ とは不可避であっただろうことも、想像に難くない。 ゆっくりとの共生のために、彼女らに知恵と知識を与えるしかなかった彼の心境は、 いかなるものだったのだろうか。もはやゆ虐の民としての誇りは失われたのであろうか。 ここで私が出来ることは、ただ一つ。彼の遺志を継ぎ、ゆっくりを虐待することで しかない。私は特にゆっくりの虐待が好きなわけではない。だが彼が失った誇りと魂 を昇華させるために、あえて。そう、あえて、なのだ。……「まあどうでもいいか」 と思えることをせねばならないんすよ。主にらんしゃまが見つかるまでの暇つぶしく らいの感覚で? まあ、暇だし? ぶつぶつ。 「わかるよー! らんしゃまを探すんだね! 早く行こうよー!」 話聞いてないよな、こいつ。 「うん、今日は疲れたし、軽く近くを見て回ろうか。ご飯集めなきゃね」 「わかるよー」 ちぇんは、ぴょいんと私の肩に飛び乗ろうとして、目測を誤りずり落ちた。 「やっぱゆっくりって可愛いなあ。虐待するの面倒なんだよなあ。台詞考えたり、濁点 付けたりするのが特に」 「ゆ? おねえさん何か言った?」 「いやいや、ただ誰か本当に状況と種族ごとに分類した台詞データベース構築して関連 用語抜き出せると楽でいいんだよなあとか、突然閃いただけだよ」 どういう意味なのかは自分でもわかんない。わからないよー。 「やあおねえさん。おや、着替えたんですか? スカート姿も似合いますね。ゆっくり していってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 元虐待お兄さんと、その周りで一緒になってゆっくりな歌を歌っていた大小様々なゆ っくり達が、私たちを歓迎した。遅めの昼食を終えた私達は、再度このゆっくりプレイ スへと赴いたのであった。小屋を借りた手前もあるし、作りすぎた昼食の差し入れに来 たのだ。普段ろくな物食べてないだろうしね。べ、べつに、あまりにもみすぼらしいと か、哀れすぎるとか、変なにおいが気持ち悪いとか言う理由じゃないんだからねっ!? ……言い訳完了。これで誰も、こいつがみすぼらしいとか哀れだとか変なにおいがす るだなんて、ひとかけらも思わないだろう。 ちなみにスカートに履き替えたのは、さっき男と間違えられたことが悔しいからなど では決してなく、小屋周辺に限ればとても穏やかな地形で、過ごしやすいことが判明し たからで、決してさっき男と間違えられたことが悔しいからではないのだ。大切なこと なので二回言った。ふう、言い訳完了。 ……なんだか言い訳してばっかりだ。 「細くて白い足がとても綺麗ですね! こうしてみるとまるで女の子のように見えぶぎゃっ」 「黙れ馬鹿。ぐりぐり」 「やべてー! ていうか、見えちゃいますよ!?」 「ん? 何が?」 「え、気づいてない? まじで? 気づいてないなら見ちゃいまぎゃあああああ」 目を開けた瞬間を狙い、かかとで踏み抜いた。まあこれくらいにしといてやろう。 「お、おねーさんゆっくりしていってね!?」 「ゆっぐりでぎないよおおお!」 周りからゆっくり達の悲痛な声が聞こえてくる。そういえばゆっくりがいることを、 しゃっきりぽんと忘れていた。 「ああ、大丈夫だよ。こう見えても私はね、このお兄さんとは仲がいいんだ、ほらこう してご飯を持ってくるくらいに」 差し入れを見せて、敵意がないことを示すと、途端にゆっくり達は周りに集まって来 た。ていうか地面に置いた土産に群がってやがる。 「ぐううう、めがあああ、ぐ、ぐぎぃ、くろ……え、ご飯くれるの? 俺に? まじで?」 「まあな。家くれたし。あ、ゆっくりいくつか貰ってくから」 「うん、わか……今なんて?」 「おーいおまえら、それはこいつのご飯だぞ、我慢しとけ。代わりに、そうだな、家に 連れて行ってやろう」 「「ほんと!? ゆっくりできる!?」」 「え、なんて言ったの? ねえ何か変な事言わなかった? ねえねえ!?」 その場に居たゆっくりは、れいむ、まりさが1匹づつ、赤れいむ、赤まりさが3匹づつ。 多分ではあるが家族なのだろう。 「わかるよー、ちぇんと一緒にゆっくりするんだねー」 肩から飛び降りたちぇんが、早くもゆっくり達と追いかけっこをして遊び始める。 その間に私は元虐待お兄さんから小屋の作りや道具についてレクチャーを受ける。 「えーと、何かするんですか? 黒ですか? そのゆっくり達を”可愛がる”んですか? ひょっとして黒ですか? ところでそのスカートの下に身につけていらっしゃるであ ろう衣服の色彩を一言で言い表したとしたならば、万人が万人諸手をあげて『黒』と答 えるであろう色で間違いはないですよね!?」 会話の間に執拗なまでに挟まれる漆黒なる台詞を流しながら、ようようにして聞くべ きことのあらかたを聞き終えた私は、何かを期待する変態の眼差しに、残念な事実を告 げてやる。 「ジャージ」 「うがああああああああああああああああああああああああああああああああ」 おお、物の見事に失望してやがる。あわれあわれ。 土産は簡単な野草サラダだ。地面に置いた皿に軽く盛っておいた。こうしておけば、 お腹が空いたときにでも食べられるだろう。 「さ。みんな帰るよ」 「わかるよー!」 「まっちぇにぇ! ゆっきゅりかえりょうね!」 「ゆゆっ、待つんだぜみんな、ここにゆっくり出来るごはんが落ちているぜ!」 「「「ゆっきゅりー! むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇー!」」」 「ってそれ俺のおおお! 半年ぶりの、まともな飯がああああ!」 「おにいさん、ここはれいむ達のゆっくりプレイスだよ! ゆっくり出来ないなら出て 行ってね!」 ですよねー。 まあどうせ、こいつは動けないし、どうあがいても食えなかったのだろうけど。話に 聞いたほど慕われてはいないみたいだし。むしろおもちゃの扱いを受けているんじゃな いか? 飾りも、親愛の証などではなくて、所有権の主張だったりして。 「もう行くよー」 「「まって、まってにぇ!」」 陽の傾いた森の中、ゆっくりの速度に併せて家路に付くのもオツな物かもしれない。 後ろから、明日は何も履かないで来てねぇぇと言う誰かの魂の叫びが聞こえた気がす るが、多分気のせいだろう。あいつの名前は今から”変態”に決まったことは、だから ただの偶然だ。変態なんだからそんな不条理も許されるのだ。がんばれよ、変態。 小屋の改装――といっても大してすることもなく、動きにくくなっていた装置に油を 差したり、簡単な掃除をした程度だ――を終えた頃だろうか、遊びつかれて寝ていたゆ っくりの家族が起きだした。 気配はすれども、ゆっくり独特の発声が聞こえてこない。声の出ないよう、彼女達が 寝ている間に、口に布を詰め込み、塞いでおいたからだ。 ちぇんは別室で寝かしつけているので、防音に優れたこの小屋の中では、大声を出し たところで気付きはしまい。これは、虐待に馴れていない私が、不愉快にならないため の処置だ。 「まあわざわざ虐待する必要なんてないけど、ものは試しってやつで」 誰に言い訳するでもなく、とは言え私を第三者の視点で見ている者などは存在し得な いのだから、自分に対して言い訳をしているのは確定的に明らかなのだが、それはさておき。 異変に気付き恐慌に陥るゆっくり達に向かって、私は説明を始めるのであった。 「諸君。お気づきのとおり、君たちは今声が出ない。なぜなら、私が『ゆっくりできな くした』からだ。そう、私は実は、美しく麗しい『ゆっくりできない』お姉さんだった のだ。これからの諸君らの命運は辛苦に染まることになるだろう。ここで死ぬまで私に 蹴られ、殴られ、辱めを受け、子を為して子に食されるのだ、例えるとするならばだが。 諸君らは標準的な被虐ゆっくりとして生きることになるだろう。ゆっくりの知能でこの 部屋を脱出することは不可能だから、もし私が愛想を尽かしたとしても、諸君らはここ で餓える以外の選択肢を持ちようがないのだ。諸君らが私に対して、何らかの延命措置 を述べたいと言うのであれば、私を満足させる行動を以って請願する他に、どういった 手段が取れるだろうか。否。そもそも諸君らは……えい」 親ゆっくりが体当たりをしてきたので、自分でも意味不明であった演説を中断し、踏 みつける。口が塞がっているんだが……踏みつけた足を通して、悲鳴だか呻きだかが漏 れてくる。おお、愉快愉快。 「説明が悪かったか。ええとだな、つまり、お前達は『一生ゆっくりできない』と言う ことだ。私に逆らうと」 ゆっくり達を舐め回すように観察する。未だ状況を理解できない赤れいむ。期待の眼 差しを親に向けている赤まりさ。我関せずとばかりに寝ている赤れいむ。 「赤んぼう可愛いね。でも体当たりされて足が痛いんだよね。むしゃくしゃするから、 よし、潰そう」 踏みつける対象を、親まりさからねぼすけの赤れいむに変更した。 「あ、これ面白い。足の裏で、今にも潰れそうな体を、必死にひねって逃げようとして るんだよな。その蠢いている感触がこそばゆい。あと一押しで皮が裂けて、腐った芋の ようにぶにゃりと崩れそうなんだよね」 親達の体当たりがより強くなる。だが気にする程ではない。 「きっと痛いなんてものじゃあ、ないよなあ。大きな石で体を潰されている感触かな? 丸太に皮の端が挟まって、そのまま丸太の下敷きになる見たいに。餡子が、ゆっくり、 ゆっくりと外側へ移動して行くのって、とても痛いんだろうねえ。人間で言うと、皮膚か ら剥離した骨や筋肉が、砕かれながら搾られているような物だしねえ。可哀想に、まだ小 さい赤ちゃんだと言うのに、私に反抗するゆっくりなんぞを親に持ったばかりに!」 絶命寸前であろう赤れいむを親に見えるよう、足を移動させた。後頭部を押付けている ため、親と対面しているのはぱつんぱつんに膨張し、今にも張り裂けようとしている赤れ いむのいびつな顔であろう。内容物によって限界まで引き伸ばされた皮は、奇妙な笑み以 外に表情を浮かべることは出来ないであろう。横長に膨らんだ赤れいむの左右で、こぼれ 落ちてしまうのをかろうじて堪えているうつろな眼球は、果たして何かを映してはいるの だろうか。空気の詰まった紙風船のように、容易く裂けてしまうであろう赤れいむのその 命を握っているのが誰であるのか、さすがのゆっくりであっても理解出来たのだろう。親 ゆっくりは赤ゆっくりに駆け寄り、助け出そうと健気に私の足を押し返す。 私に反抗しないこと、これからする説明をよく聞くことを理解させた上で、解放する。 瀕死の赤れいむに、言葉を掛けてやることも出来ない家族。ほお擦りすら余命を縮める行 為なのだろうと、ゆっくりなりに理解しているのだろう、力なく舌を使って舐める程度だ。 死んでは元も子もないので、煮詰めた野苺を与えておく。餡子が漏れたわけでもないし、 すぐに回復するだろう。 「説明を再開するよ。ええと、この部屋には、『罠』が仕掛けてあります。50ユクリード、 かっこ1ユクリードは標準的なゆっくりが一跳ねする程度の距離かっこ閉じる、四方のこの 部屋に、タイルが敷き詰められているのです。床を見ると、白と黒がまだらになっているだ ろ? このあるマスを踏むと、ゆっくり出来なくなると言うことだ。例えばこのマスは落と し穴で、下に槍が隠れている。ほら、ぱかぱか開くだろ?」 足で踏むと、開いたタイルの底に、鈍く光る刃が隠されていた。 「君たちは『れいむ』と『まりさ』に分かれて、交互に罠を掛け合ってもらう。……のだが、 今説明しても理解が追いつかないだろうから、今日はこのへんでお終い。みんなゆっくりし ていってね!」 罠の設置された部屋で、声を出すことも出来ないゆっくりがどうやってゆっくり出来るの かは私は知らないが、まあなんとかなるだろう。食事は取らせるしね。 声も上げられず身を震わせて嘆いているゆっくりの家族を後に残して、部屋を出た。その 際、殺傷力のないただの落とし穴を踏み抜いてしまったことは乙女の秘密だ。 寝室に戻ると、ちぇんはいまだ寝ているようだった。もう昼だと言うのに。窓から差し込 む木漏れ日が、秋の深まりを優しく告げているように思える。 雪が降るまでには、家に帰らないといけないなあ。 「らんしゃまぁ~」 つぶやいた寝言は、まだ見ぬ伴侶に向けてのものだろうか。 彼女を起こさぬように胸に抱いて、私も午睡を嗜むことにした。 *次回予告* 家族を襲う数々のゆっくり。 だがそのゆっくり達とて、自分達を襲わねば死あるのみであったことを、ゆっくりの家族は 己の身を持って知ることとなる。 引き離された家族が出会うのは、殺戮の罠の中でしかないのか。 次回「愛、罠、ゆっくり」 1億円宝くじが当たるくらいの期待度で待て!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/424.html
「奇形ゆっくり」 雪もだいぶ解けた頃。 草原には、越冬したゆっくりの姿が現れ始める時期だ。 森の中を歩き続ける僕。 僕は、ある条件を満たすゆっくりを探している。 探しているのは、単体のゆっくりではなく、子供を連れたゆっくり一家でもなく、発情したゆっくりありす でもなく、ゆっくりれみりゃなどの捕食種でもない。 僕が探しているのは、お互いを愛し合ったカップルのゆっくりだ。 それも、既に交尾を済ませて妊娠初期の…そう、そのタイミングが一番“いい”。 越冬後の初春になると、冬を生きて越すことができた安心感のためか、それとも家族計画を考えているのか、 多くのゆっくりが交尾を行う。 草原には結構な数のゆっくりが顔を出し始めているから、そろそろだと思うのだが… 「ゆっ!?おにーさん、ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 すれ違うゆっくりには適当に返事を返しておいて、巣のありそうなところを手当たり次第に探していると… 「ゆぅ!!ゆっくりそだっていってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 狭い入り口から中を覗くと、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルがお互い寄り添っていた。 れいむの頭には3本の蔓が生えている。妊娠初期なのだろう、つぼみは固く閉じていてまだ子ゆっくりの 原型すら出来ていなかった。 ふむ…こいつらは、丁度よさそうだな。よし、こいつらにしよう。 そう決めると僕はこいつらを連れて帰るべく、ゆっくりに声をかけた。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 本能に刻まれた言葉を僕に返す2匹のゆっくり。 「お、れいむは妊娠してるのかな?」 「そうだよ!!もうすぐのれいむのあかちゃんがうまれるよ!!」 「まりさのかわいいあかちゃんがうまれるよ!!」 どうやら、ちゃんと望まれて生まれようとしている子供のようだ。 ひとまず安心した。そうでなくてはこれからの計画も、意味がなくなるからだ。 「よし、これから赤ちゃんが生まれる二人のために、すっごくゆっくり出来るところを用意してあげたよ」 「ゆゆっ!?ゆっくりできるところ!?」 「おにーさん!!ゆっくりあんないしてね!!」 これから親になるというのに、この馬鹿っぷりはいかがなものか。 毎度のことだが、こいつらが絶滅しない納得のいく説明がほしい。 「よし!!じゃあお兄さんについてきてね!!」 息が上がらない程度のペースで、家へと続く道を走る僕。 家まではそれほど遠くない。ジョギングのペースで走って10分ほどだ。 だから僕にとっては軽い運動でしかないのだが…どうやら、2匹のゆっくりにとっては違うようだ。 「おにーさん!!もっとゆっくりしていってね!!」 「おいてかないで!!もっとゆっくりあんないしてね!!」 普通のゆっくりなら決してついてこれないペースではないのだが、妊娠しているれいむは頭に生えた蔓が折 れないように注意しながら跳ねなければならない。 「れいむ!!ゆっくりいそいでね!!」 ペースの遅いれいむに付き添うまりさも、同様である。 「そんなにゆっくりしてると、ゆっくり出来るところがなくなっちゃうぞー!!」 「ゆゆーっ!!??いやだよ!!ゆっくりしたいよ!!」 「ゆっくりいくからまっててね!!れいむ!!もっとゆっくりはやくしてね!!」 どんなに急かしても、こいつらは一定のペース以上速くはならない。 これは…何か別の方法を考える必要があるな。 ちょっとばかり考えて、思いついたのは… 「おーい、まりさ!」 「ゆっ!?」 「まりさがれいむを後ろから押して手伝ってあげれば、早くゆっくりできるぞー!」 「ゆゆ!!おにーさん、あたまいいね!!まりさゆっくりてつだうよ!!」 さっきから2匹の様子を見てわかったのだが、れいむは蔓が折れないように注意してペースを落としている のに対し、まりさは単純にれいむに付き添っているだけ。蔓に注意を払っているわけではない。 つまり、まりさはれいむがゆっくりしている理由がわからないのだ。 ゆっくり出来るところがなくなる、という僕の言葉に焦りを感じるとともに、ペースを上げようとしない れいむに苛立ちを感じはじめるまりさ。 だから…後ろから押して手伝ってやれ、という指示にも簡単に従う。 「れいむ!!もっとゆっくりいそいでね!!」 「ゆぎゅううう!!まりさあああああああああやめてよねええええええ゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぐいぐいと後ろから押していくまりさ。それでもペースを上げるわけにはいかず、必死に抵抗するれいむ。 だが、身重の体ではまりさを押し返すことは出来ない。 そのまままりさの力に押し負けて、ペースを上げることになってしまった。 「やだあああああああああ!!あがぢゃんできなぐなっぢゃううううううう!!!!」 「れいむ!!はやくゆっくりできるところでゆっくりしようね!!」 まりさはれいむの悲鳴を聞いてないのだろうか? これから生まれる赤ん坊すら気遣わないあたり、やっぱり頭の中が餡子なんだなぁ。 しばらくして、もう少しで家に着くというところに差し掛かると… 「まりざやめでよおおおおおお!!!…ゆぎゅ!?」 まりさに押されてハイペースで跳ねていたれいむが石につまづき、顔面から倒れ伏してしまった。 あ、これはヤバい、と思った。その角度と、そのスピードが。 ボキッ!! 3本の蔓のうち、一番細かった1本が折れてしまったのだ。 「ゆぎゃああああああああ!!!れいむのおおおおおお!!あがぢゃんがああああああああ!!!」 ゆっくりらしからぬ速さで起き上がって、折れた蔓のもとへ駆け寄るれいむ。 その後を、まりさがゆっくり追いかけた。 れいむは、滝のように涙を流しながら萎えた蔓を見下ろしている。 その後ろのまりさは、ばつの悪そうな顔をしていた。 最初は悲しみの震え…そして、その震えは怒りに変わった。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!!!!まりざのせいだよ!!まりざがうしろからおしたからだよ!!」 「ゆぎゅ!?まりさはわるくないよ!!れいむがゆっくりしすぎたのがだめなんだよ!!」 へぇ、ゆっくりも夫婦喧嘩するんだぁ。 「あかちゃんがああああああ!!!れいむのあがぢゃんがあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆっ…れ、れいむのせいだよ!れいむがころんだから――― 「はい、そこまで!」 このまま見ていても面白そうだったのだが、殺し合いに発展する気配を感じたので仲裁に入る。 「今のはどっちも悪くないよ。たまたま、その蔓が細すぎたんだ。たぶん折れなかったとしても赤ちゃんは できなかったよ」 「ゆっ!?そうなの!?」 「そうだよ。だから、残りの2本を大事にすれば良いのさ」 「ゆゆ!!わかったよ!!れいむのあかちゃんだいじにするね!!」 「まりさのあかちゃんゆっくりさせてあげるね!!」 あー、⑨でよかった。 2匹の仲直りは済んだので、すぐそこの自分の家に案内する。 玄関から入っていく2匹は、終始寄り添ったまま離れようとしなかった。 2匹を専用の部屋に案内し、準備を済ませると僕も2匹と同じ部屋に向かった。 僕が抱えているのは、最近幻想入りしたという毒入りギョーザと、2リットルペットボトルに入った廃油だ。 「おーい、ゆっくりしてるかい?」 「ゆっくりしてるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 先に与えておいたお菓子を食べつくして、2匹は文字通りゆっくりしていた。 れいむが妊娠している以上、昔のように跳び回って遊ぶことは出来ない。 2匹にとっても、今までのように跳びはねるより、寄り添いあってゆっくりしてる方が満足できるのだろう。 ギョーザとペットボトルが視界に入るやいなや、跳ね寄ってくる2匹。 「ゆゆ!?それはなに!?」 「ゆっくりできるもの?ゆっくりできるならまりさにちょうだいね!!」 おお、食いついてきた。そうでなくちゃ困る。 「これはね、栄養価の高い食べ物だよ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるれいむに食べてもらおうと思ってね。 これを食べれば、元気でいい子な赤ちゃんがたくさん生まれるよ!」 餡子脳にも理解できるように、説明は怠らない。 すると、期待通りれいむが食いついてきた。もう期待通り過ぎて怖いぐらいだ。 「ゆゆ!!れいむたべるよ!!さっさとそれをゆっくりちょうだいね!!」 「わかったわかった。まりさも食べるか?」 「まりさはいらないよ!!ゆっくりれいむにあげてね!!」 さっきのことを少しは反省しているのだろうか、それとも夫(?)としての自覚が芽生えてきたのか。 僕としてはれいむが食べてくれさえすればかまわないので、ギョーザを適当に床に置いて、大きい器に廃油 を移し替えた。 「むーしゃむーしゃ、しあわ…せ…?」 一口食べて、早速異変に気づいたらしいれいむ。 「おにーさん!!これすっごくまずいよ!!こんなのたべられないよ!! こんなものをたべさせるおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 「わがまま言うなよ。元気な赤ちゃんが生まれなくてもいいのかい?」 「ゆぎゅ……がまんしてたべるよ…!」 赤ちゃんのため、って言っておけば大抵のことは我慢できそうだな、このれいむ。 眉間にしわを寄せて、いかにも不味そうな顔をしながら、ギョーザをちびちびとかじっている。 ダイオキシンとか、タリウムとか、メタミドホスとか、かなりヤバイ代物らしいんだが、体調には変化はな さそうだ。 実は、毒に対してはかなり耐性があるのだろうか? 「れいむ!!ゆっくりがんばってね!!あかちゃんのためにがんばってね!!」 毒入りギョーザを栄養食か何かと勘違いしている2匹。 まりさは、不味そうにギョーザを食べているれいむを応援している。 そのあと、いろいろヤバそうなものが浮いてる廃油にもれいむは口をつけた。 「ゆぎゅ、まずい……でもあかちゃんのためにがんばってのむよ!」 「ゆゆゆ!まりさもてつだってあげるね!!」 何を思ったのか、自らも廃油を飲みだすまりさ。 お前が飲んだら意味ねーだろ(笑) 目の前の不味い飲み物がなくなればいいとでも思っているのだろうか? さすが餡子脳。僕の予想の斜め上を常にキープしている。 そんなこんなで、3日間。 蔓には、少しずつ子ゆっくりの原型らしきものが現れ始める。 僕はすでにその異変に気づいていたのだが、2匹のゆっくりは気づかない。 出産自体初めてなのだろう、こういうものなんだ、と納得しているようだ。 そして。 いろいろヤバいものを体内に取り込んでいったれいむだったが、ついに…その時が来た。 出産のときである。 部屋の真ん中に陣取ったれいむ。 それを少し離れた所から、不安そうに見守るまりさ。 2匹の数週間の愛の結晶、そして僕の“3日間の努力”の結果が…今、目の前にその姿を現そうとしている。 小刻みに震えだしたれいむ。その時が近づいているのだろう。 最初は堪えていた声も、だんだん我慢できなくなってきたらしい。 「ゆ……ゆ…ゆゆゆゆ…!!」 プチッ! ぽとっ 一匹目のゆっくりの誕生である。 「ま、まりさのあがちゃんがうまれたよおおおおお!!!」 「れいむのっ、れいむのがわいいあがちゃんんんんんんんんんん!!!!」 遠くから見守ると決めていたまりさも我慢できなかったらしい。 赤ちゃんが生まれた嬉しさのあまり、すぐに生まれたての赤ん坊のもとへと跳ねてきた。 その時点で、2匹は初めて“異変”に気づいた。 「ゆ゛……ゆ゛ぐり゛……ぢででね゛……!!」 「なんなの!!このごおがしいよ!!!おがしいよおおおお!!??」 「ゆぎゃあああああああああああ!!??へんだよっ!!へんながおだよおおおおお!!!!」 このゆっくりには、口と呼べるものがなかった。 正確には、口のなり損ないのような…上唇と下唇がところどころ途切れながら癒着しているのだ。 だから、言葉を発しようとしても『ゆっくりちていってね!!』とはならない。 プチッ! ぽとっ 二匹目の誕生。れいむ種である。 今度こそまともな子供が生まれてほしい…そう願うれいむとまりさ。 しかし、そんな願いは無残にも打ち砕かれた。 「ゆっくりぃちていってにぇ……ありぇ?うごけないよ?!」 二匹目の赤ちゃんは、言葉は比較的しっかりとしていた。 しかし、この赤ちゃんには致命的な欠陥があった。 饅頭らしい弾力性が殆どなく、中身が液体のようにドロドロしているのである。 簡単に言えば…そう、やわらかすぎるのだ。 これでは、自由に弾力性を利用して跳ね回ることは出来ない …この赤ちゃんは、一生自力では動けないだろう。 「ゆっゆっ!!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 異常に気づいたまりさが赤ん坊を手伝おうとするが、無駄なことだった。 「ゆっ…ゆっ…うぅ、うごけないよおおおおお!!うわああああああんん!!!」 「ゆぅ!!ゆっくりしていってねええええええ!!!」 自力で動けないことに絶望する赤ちゃんゆっくり。 そんな子供を目の前にして、どうしたら良いのか分からず泣き喚くまりさ。 それを遠くから見ているれいむの顔には、疲れの色が見え始めた。 プチッ!! ぽとっ 三匹目。 「ゆっくりちていってね!!…ゆゆっ!?くらいよ!?おかーさんどこおおおお!!??」 駆け寄ったまりさは絶望した。 その赤ちゃんゆっくりには…目がなかったのだ。 「おかーさんはここにいるよ!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?みえないよおおおおお!!まっぎゅらだよおおおおおおおお!! おがーざあああああ゛あ゛ん゛ん゛ん゛!!!!ゆッぐりじゃぜでよおおおおお゛お゛お゛!!!」 大声で泣き叫ぶ赤ちゃんゆっくりを宥めようと、まりさが頬を摺り寄せるが… 「ゆぎゃ?!なに!?なにかぶつきゃったよ!?なんなの!?わがらないよおおおおお!! ごわいよおおおおおおおおお!!だじげでよおおおおおおおおおお!!??」 「こ、こわくないよ!!おかーさんだよ!!ゆっくりなかないでね!!!」 どんなに宥めようとしても、赤ちゃんゆっくりは泣き止まない。 そして、四匹目、五匹目…と順番に生まれていく。 生まれつき音の聞こえないもの。 硬すぎて跳ねることのできないもの。 「ぎょぎょぎょ」と気持ち悪い声を発しながら、芋虫のように這うもの。 目を覚ましても蔓から離れられず、終いには頭が破れてしまうもの。 十匹生まれれば十通りの奇形ゆっくりが生まれた。 赤ちゃんゆっくりにならずに、緑色の実のままの状態で落ちたものの方が幸運だろう。 その幸運すら、この一家にはなかった。 さっきまで、生まれてきた子ゆっくりと思う存分ゆっくりすることを思い描いていた親ゆっくり。 皆で草原をお散歩したり、水辺でゆっくりしたり、巣の中で固まって眠ったり… 畑のものを食べたらゆっくりできないよ、と教えてあげたり… いろんなことをしたかった。いろんなゆっくりをしたかった。 でも、それができない。この一家は、できないのだ。 そして、そんな一家を見てると僕は性的興奮に似た絶頂を覚えるのだ。 「さて、と…」 僕は次の準備に取り掛かる。 奇形赤ちゃんゆっくりに囲まれ、未だ泣き止まない親2匹に声をかける。 「やあ、赤ちゃんはかわいいかい?」 「ゆぐっ…へんだよおおおおおお…がわいぐないよおおおおおお……!!」 そりゃあな、僕だって見てて気持ち悪いもん。 でも、自分の赤ちゃんを“かわいくない”なんて言うなんて、困った親だなあ。 「そうかそうか、かわいくないか。じゃあ捨てちゃおう」 そう言って、目のない赤ちゃんゆっくりをピンセットでつまみあげる。 目の見えないゆっくりにとっては、その浮遊感は恐怖にしか繋がらないらしい。 「なに!?へんだよ゛!?ういでるよおおお!!??ごわいよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「おにーさんなにするの!?あかちゃんをゆっくりはなしてね!!」 まりさが僕に体当たりしてくるが、さすがゆっくり、全然効果がない。 むしろ、その弾力が気持ちいいくらいだ。 「だってかわいくないんだろう?だったら捨てちゃおうよ!」 「やめでよおおおおおお!!!がわいぐなぐでもまりざのあがぢゃんなのおおおお゛お゛お゛!!」 “かわいくない”ってところは否定しないのかよ(笑) 「かわいくないなら捨てちゃうよ!!ポイ!!」 鼻をかんだティッシュを捨てるように、赤ちゃんゆっくりをゴミ箱に放り込んだ。 ゆうううぅぅぅ、と悲鳴を上げながらゴミ箱の底に落ちていく、盲目ゆっくり。 底に溜めてある熱湯に突っ込んだそいつは… 「ゆぎゃあああああああ、あづいよおおおおおおおお!!!!みえないよおおおおおお゛!!!! ゆっぐりできないよおお゛お゛お゛お゛お゛!!!あがーぢゃんだじげでええええええ!!!!」 そんな悲鳴も、十数秒すると熱湯の中へ消えた。 「さーて、次はどいつにしようかな♪」 「もうやめでよおおおおおお!!!あがぢゃんずでないでええええええ!!!」 「えー、だってかわいくないんだろー?」 「おねがいじまずううううううううううう!!! れいむのあがぢゃんだずげでぐださいいいいいいいいいいい!!!」 子ゆっくりを片っ端から捨てるのも楽しいが、そこまで頼まれたらしょうがない。 僕は妥協案を提示することにした。 「…わかった。じゃあこうしよう!」 「ゆっ!?」 期待に目を輝かせる、親ゆっくり。 しかし、その期待はすぐに打ち砕かれる。 「れいむとまりさが赤ちゃんを一匹だけ選んでね!!その子だけは助けてあげるよ!」 「ゆううううぎゃああああああどおじでえええええええ!!??」 「どおじでそんなごといいうのおおおおおおおおおお!!??」 「選ばないと、全員捨てちゃうよ!!ゆっくりしないで選んでね!!」 「ゆぐっ!?」 選ばないと…子供が全員殺される。 それだけは避けようと、2匹は唯一の生き残りとする赤ちゃんを選ぶべく、辺りを見回す。 「おがーちゃん!!まりしゃをえらんでね!!」 「れいむしゅてられたくないよ!!ほかのこをすててね!!」 「ちにだぐないよおおおお!!おがーぢゃあああああん!!」 喋ることのできるものは、その言葉で親の気を引こうとする。 言葉を発せないものは、その目で親に訴えかける。 精神すらまともでないものは、何が起きているかも感知していない。 「早く選ばないと、全員捨てちゃうよ!!」 「ゆゆっ!!やめてね!!すぐえらぶからね!!」 そして、2匹の親ゆっくりが選んだのは…二匹目に生まれた、動けないゆっくり子れいむだった。 「どおじでええええええ!!??」 「なんでそのごなのおおおおお!!??」 「そのごはうごげないごだよ!?うごげるれいむをえらんでね゛!!」 選ばれなかった子ゆっくりは、たまったものではないだろう。 自由に動けるものは必死に母ゆっくりにすがろうとするが… 「ごめんね!!あのよでずっとゆっくりしてね…!!」 れいむは涙ながらに駆け寄った奇形子ゆっくりを跳ね飛ばした。 うまい具合に僕の足元に転がってきたので、そのままピンセットでつまみあげる。 「ゆぎゃあああああ!!!はなじでよおおおおお!!!」 「ごめんねー。でもお母さん達が、君たちの事かわいくないって言うからさー」 「ゆゆぅ!?れいむかわいいよおおおお!!!かわいいからすてないでねええ゛え゛え゛え゛!!」 そんな叫びも、ゴミ箱の中へ吸い込まれていった。 2匹の親ゆっくりは、自分達が選んだ一匹の子れいむを挟み込んで守っている。 悲しみと絶望に震えながら、唯一生き残るであろう子れいむを、しっかりと守っている。 「はーい、じゃあ君達はゴミ箱行きでーす!恨むならお母さんたちを恨んでくださいねー!」 「いぎゃああああああああああああああああ!!!!」 ぽいぽいとゴミ箱に放りながら、全体に聞こえるように呟く。 「あーあ、お母さんが、あんな毒入りギョーザと食べちゃったから」 「ゆっ!?」 「お母さんが、あんな汚いものを飲んだから、赤ちゃん皆かわいくなくなっちゃったよ!」 「なにをいっでるのおおおおおおおおおお!?」 「お母さんのせいで、皆気持ち悪くて汚い赤ちゃんになっちゃったよ!」 「おかしいよ!!ゆっくりせつめいしてね!!」 「ギョーザと飲み物にはね、危ないものが入ってたんだよ!!本当は食べちゃダメだったんだよ!」 そこまで説明して、やっと理解したらしい。 母体であるれいむは…自ら汚染物質を体内に取り込んだ。 それは子ゆっくりにも蓄積されていき、結果として奇形ゆっくりが生まれた。 やっと。やっと理解したのだ。 親ゆっくりも…そして、子ゆっくりも理解した。 自分がこんな酷い目にあっているのは、母親であるれいむのせいであるということに。 僕は心無い言葉を子ゆっくりに浴びせながら、次々とゴミ箱に放り込んでいく。 「おがーぢゃんのせいだあああああああああ!!!!だずげでええええええ!!!」 「はーい、お母さんがあの子を選んだので、皆あの世行きでーす!」 「おがーぢゃんなんがしんじゃえええええええええ!!!」 「その前に死ぬのはお前らでーす!!あの世でゆっくりしていってね!!」 「おがーだんだじげで!!みでないでだずげでよおおおおおおおお!!!!」 「お母さんはあの子を選んだので、君は助けてもらえません!!ゆっくり死んでね!!」 母ゆっくりを罵倒しながら、ゴミ箱の中へと消えていく子ゆっくりたち。 その言葉の暴力に、れいむとまりさは震えながら耐えている。 「ごめんね!!……あのよでゆっくりしてね…!!」 そして、選ばれた子ゆっくりを除くすべての奇形ゆっくりが…ゴミ箱の中でお汁粉に変わった。 一旦ゴミ箱を片付け、再び部屋に戻ってくる。 親子3匹がいるほうを見ると、どうやら最後の生き残りである子れいむが、両親を罵倒しているらしい。 「おがーぢゃんのせいでじぇんじぇんうごけないよ!!ゆっくりあやまってねええええ゛え゛え゛!!」 本当はすぐに飛び掛って噛り付きたいのだろうが、やわらかすぎて動けないので、それもできない。 その上、2匹の親ゆっくりの返答も酷いものだった。 「お、おかーさんは悪くないよ!!おかーさんはわるいものたべてないよ!!」 「そうだよ!!かわいくうまれてこなかったれいむがわるいんだよ!!」 「ゆぎゅううううう!!?どおじでぞんなごどいうのおおおお゛お゛お゛!!??」 生後10分で親子喧嘩か。すごいもんだな、ゆっくりって。 「はーい、そこまで!」 この前と同じように仲裁に入る。 「いいことを教えてあげるよ。二人の親のどっちかが死んで子れいむの食べ物になれば、子れいむは動ける ようになるよ!」 「ゆぎゅ!?ほ、ほんとうなの!!?」 それは親ゆっくり2匹にとって、衝撃であろう。 どちらかが犠牲にならなければ、目の前の子は一生動けないままゆっくりしなければならない。 親2匹は…どちらが犠牲になるか、選ぶことが出来るだろうか? 「どっちが食べ物になるか、ゆっくりしないで決めてね。ゆっくりしてると、手遅れになるよ!」 「ゆぎゅ!?それじゃれいむがあかちゃんのたべものになってね!!まりさはしにたくないよ!!」 急かされたせいか、焦ったまりさが思わず本音を漏らしてしまった。 となれば、二人の“ジョーカーの押し付け合い”はもう止まらない。 「どうして!?まりさがたべものになればいいよ!!れいむはあかちゃんうんだんだよ!?」 「れいむはあかちゃんうむだけで、ぜんぜんたべものとってこなかったよ!! やくたたずのれいむは、ゆっくりたべものになってね!!」 「おがーぢゃん!!げんがはやめでよおおおおおおおおお!!!!」 これが人間だったら恐ろしい会話だが、ゆっくりの場合だと笑えてくるから不思議だ。 さて…そろそろフィニッシュといこうかな。 「そうか、どっちも食べ物にならないなら…赤ちゃんが死ねばいいよね!!」 そう言って拳を振り上げ… 「やめでえええええええええええええええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「あがぢゃんにげでねええええええええええええ゛え゛え゛え゛!!!」 親2匹の絶叫とともに… グシャッ! 最後の奇形ゆっくりは、ただの潰れた饅頭になった。 「どっちも食べ物になってくれないなら、赤ちゃんは死ぬしかないよね!! だって、動けないままゆっくり生きていけるわけないもんね!!」 2匹は震えている。 「どうしたの?助けたかったの?でも食べ物になるほうを決めなかったよね。 助けたかったのに早く決めなかった二人が悪いんだよ!!」 それを聞いた2匹の、震えが…止まった。 そして… 「がああああああああああああ!!!???れいむのぜいだああああああああ!!!」 「まりざのぜいでじょおおおおおおお!!?まりざがたべものにならないがらああああ!!!」 2匹は、鬼のような形相で責任の押し付け合いを始めた。 「れいむのぜい!!ぜんぶれいぶがわるいの!!!ばかなれいむはゆっくりしね!!」 「ゆぎゅうううううう!!まりざがあがぢゃんだずげながったのがわるいの!!ゆっくりしんでね!!」 「ごろじでやるっ!!おおばがれいむなんがゆっぐりじね!!」 「まぬけなあほまりざは、ゆっぐりあのよであがぢゃんにあやまってね!!」 僕は外に通じるドアを開けておき、2匹を放っておいて自室に戻ることにする。 2匹の騒ぐ音がうるさいので、音楽を大音量で流してくつろぐことにした。 翌日。 2匹がいたはずの部屋を覗いてみると… そこにはゆっくり一匹分の餡子が、部屋を中心として放射状にブチまけられていた。 原形をまったく留めておらず、毛髪や飾りも残っていないので、れいむとまりさのどちらなのかわからない。 僕としては…できれば、れいむのほうに生き残っていてほしい。 あいつがまた子供を作れば、また奇形が生まれるに違いないからだ。 できれば、そうあってほしいな。 だってその方が、ロマンティックだろう? (終) 続く あとがき 虐待スレ10の 340前後を見て、勢いで書いた! まともに読み返してないので、誤字とかあるかも!! 後悔はしてな・・・・・・いや、半分ぐらい後悔してる! でも、自分が読みたいものが書けたからOK! ゆっくり読んでくれてありがとう!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/984.html
ゆっくり釣り ※へら鮒釣り行ってきて思い付いた 「はい、ありがとうございます。存分に楽しんできてください」 店番に金を渡し俺は中へ入る。 大抵釣りは外でやるものだがこの釣りは魚を釣るわけじゃあない。 ゆっくりを釣るのだ。 このゆっくり釣り、最近ちょっとしたブームになっている。 どでかいケースに悠々としているゆっくりを釣る、ただそれだけ。 俺が釣竿のセットをしていると、ゆっくり達が気づいたようで、 「おにいさん!ゆっくりしていってね!」 お決まりの言葉を発する。 更につられて他のゆっくりが煩くテンプレワードを発する。ああ煩い。 俺に挨拶を済ませ他のゆっくりと遊んでいる所で、全ての準備完了。 俺はちょっとしたお菓子をケースの中に放り込む。 「「「「ゆゆっ!?」」」」 ゆっくり達が我先にとお菓子目掛けてゆっくりと走る走る。 一匹が食べ終わると皆してこう言った。 「おにいさん!もっとちょうだい!」 これが俺の必勝法。 あとは釣り針を刺したお菓子を放り込むだけだ。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわぶぇっ!!!?」 一匹のれいむが幸せそうに食べているところを一気に引き上げる。 よし、一匹ゲット。型は小さいが順調順調。 「おにいさん!れいむのこどもかえして!」 涙目で俺に懇願してくるでかいれいむがいた。 どうやらこいつは子ゆっくりだったようだ。 「仕方ないなあ。このお菓子を食べれたら返してあげるよ。」 「ゆ!?おかし!??はやくちょうだい!」 子供はどうしたんだよ。 釣り針にお菓子をセットし、親れいむと正反対の方向に投げ入れる。 隣の人が睨む。あ、迷惑でしたか、すいません。 「そ"っち"し"ゃた"へ"れ"な"い"い"ぃ"!!」 そんなことを何回か楽しんでいた。 ピンポンパンポーン。 アナウンスが流れた。 『休憩タイムです。釣りをしている方はすぐに引き上げて下さい。30分の休憩に 入ります。』 店番が全員引いたことを確認すると、ボタンを押す。 すると、ケースの真上に黒い板がスライドされてくる。 休憩タイムとは、ゆっくり達を寝させる為の時間。 この黒い板で擬似的に夜を造り、ゆっくり達は眠りにつく。 眠ればそれまでのことなど忘れる餡子脳なので、「そんなものにれいむたちはつ られないよ!」なんてことはなくなる。 まあ休憩タイムなどなくても釣れるのだが、休憩タイムは釣り師同士での雑談話 にも使われているので有難い。 30分後、黒板が消えるとゆっくり達は目を覚ます。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 「おお、ゆっくり釣ってやらあ。」 ゆっくり釣り 完 携帯からだから面倒で、少し短めなのもそのせいです。 とりあえずへら鮒釣り楽しかった。それだけ。 代表作 ゆっくり大福 ゆっくりとりひき1~3(以下続) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1740.html
ある日、珍しいゆっくりが永遠亭で生まれた。 ゆっくりまりさの帽子をかぶったゆっくりれいむだ。 何度も確認したが、ゆっくりれいむは帽子を自分の物だと言い。 他の子どもに帽子のないゆっくりまりさはいなかった。 完全にこの帽子はゆっくりれいむのものだった。 母親のゆっくりれいむはその子を「まりさ」として育てた。 しかし、自我が強くなってくると帽子をかぶったゆっくりれいむは自分を「れいむ」だと主張した。 母親のゆっくりれいむは我が侭な所があり、 自分の思い通りにならない帽子れいむをゆっくりできない子としてリンチしようとしたが、 世話係の兎に阻止される。兎の報告で帽子れいむの保護が決まり、 一家はよりグレードの高い部屋に移送された。 母親れいむはお母さんのいう事を聞かないバカな子でも役に立つことはあるんだねと言っていたが、 その思いは大きく裏切られる。得意なゆっくりを出産した母体として移送後すぐに解剖され、 餡子や眼球、歯や口、髪や皮やリボン。ゆっくりを構成する全てのパーツは今も永遠亭の地下で保管されている。 復元すれば恐らくその顔は恐怖と激痛で大きく歪んでいるだろう。 他の姉妹達もそうだ。母親の隣で同じように解剖され保管されている。 帽子れいむは実験用のゆっくりが与えられる中ではかなりグレードの高い部屋でゆっくりしていた。 何度か実験をしたが、このゆっくりれいむはただのゆっくりれいむがまりさの帽子をかぶっているだけらしい。 そこで、帽子れいむとゆっくりまりさを掛け合わしてみた。 生まれた中に一匹だけ変わったゆっくりがいた。リボンをつけたゆっくりまりさだ。 このリボンまりさは帽子れいむと違った特徴を持っていた。 性格がれいむとまりさの特徴を持っていたのだ。母性と責任感が強いが、平均的なまりさに比べて少し頭が悪い。 八意永琳はその症状をケース582とし、資料に記載した。 人里にはガス灯が立ち並び、今度、妖怪の山までの鉄道が開通するらしい。 幻想郷ではまだ珍しいオープンカフェで珈琲を飲みながら永琳は人、いや妖怪を待つ。 「お待たせ、永琳」 「久しぶり、鈴蘭畑に変わりはない?」 「ええ、お陰様で」 落ち着いた服装の金髪の淑女はウェイターにブレンドのホットをオーダーする。 「昔みたいに大声で甘いものを注文するのかと思った」 「もう、何十年前の話よ。私がまだ妖怪になったばかりの話でしょ?」 「鈴仙と二人で嫌がるあなたを人里に連れてきたのよね。甘味処であなたったらあんみつを三杯も食べるんですもの」 ウェイターが持ってきた珈琲に何も入れずに飲み始める。 「ホント、成長したのね。メディスン」 永琳はニッコリ、まるで自分の娘が成長した様に感心するように笑う。 メディスンは照れ隠しに、あんな所にゆっくりがいるよ。と言う。 「もう、ゆっくりの研究はしてないの?」 「ええ、もうやりたい事は全てやってしまったわ」 「ところで、あれはゆっくり・・・何かしら」 ゆっくりまりさの帽子かぶった髪が紫のゆっくりありす。 餌を録に食べていないのかやせ細り、咳き込みながら道を跳ねている。 人里の大通りには路面電車が走っている。のろのろしていたゆっくりは路面電車に轢かれ生涯に幕を閉じる。 「さぁ、今はあんなのばっかりよ。数が減って近親相姦が増えてからは一気にね」 「ふぅん」 「パチュリーの所に私が書いた資料があるわ。それにケース582というのを探してみなさい」 しばらく昔話をした後、メディスンは紅魔館の図書館を訪ねる。 生憎、パチュリーは不在だったが、蔵書を共同で管理している古い友人を見つけ。図書館に入る事ができた。 「メディスン、あなたもこの図書館で働かない?新しいメイド長はどうも紅茶を淹れるのが苦手みたいで」 「あなたこそ、たまには魔法の森に帰ったらどうですか、魔法使いがいなくなってあの森、今はキノコの森なんて言われてますよ」 「あいつが眠ってる森らしくて良いじゃない」 また少し思い出話をして、永琳の資料を探す。 小悪魔に藻手伝ってもらい。やっとケース582という資料を見つける事ができた。 ゆっくりは交配する時にお互いの中身を交換する。 そのため中身が餡子のはずのゆっくりまりさからでも、カスタードのゆっくりありすが生まれるのだ。 そして、母体に入ったカスタードは通常なら蔦を通って実(中身の無いゆっくり)に入る事でゆっくりありすとなる。 ケース582では通常通りそれが行われなかった場合に発生する複合種に関する研究についてまとめる。 起こりは帽子れいむ(ゆっくりまりさの帽子をかぶったゆっくりれいむ)からである。 それまでにも性格がゆっくりまりさに告示したゆっくりれいむなどの報告はあったが、 容姿にこれだけ顕著に異常が見られたのは今回が初めてだった。 母親や姉妹を解剖し、餡子を採取したが、元々中身が同じであるゆっくりまりさとゆっくりれいむのためあまり大きな差は見られなかった。 次にゆっくりまりさとゆっくりパチュリーの番を100組用意し、複合種の発生について調べた。 500組中複合種が生まれたのは0組。次に生まれた子ども達による近親相姦を行わせる。 これは帽子れいむの母親が近親相姦実験に使用されていた個体であるため、近親相姦で何らかの異常が発生する可能性を証明するためである。 同じく500組のゆっくりまりさとゆっくりパチュリーの番を作る。すると100組中3組に複合種が誕生する。 続いて同じようにまた近親相姦を行う。すると100組中21組に複合種が生まれた。 ケース582追記 問題が発生する。昨今の人里の技術的進歩は目覚しく。 人は生活圏を森へと広げていった。 多くの森が切り開かれる。妖精はレティ・ホワイトロックに頼み、 霧の湖周辺の森を守ることを人間に約束させた。レティが動けない時は妖精のリーダーであるチルノと八雲の姓を貰った橙が問題に対処するらしい。 低級妖怪は蟲の王リグル・ナイトバグの呼びかけで、妖精たちと合流。その生活圏を確保した。 問題はゆっくりだ。多くのゆっくりは生活圏を失った。 妖精たちも向かいから付き合いのある妖怪は受け入れるものの、ゆっくりに対しては霧の湖に近づけることすらさせない。 次第にゆっくりの数が減っていく。それと同時に野生でも複合種が見られるようになる。 隠れる場所が減り、群を形成する事が困難になったゆっくりはどうやら家族内で繁殖を繰り返しているらしい。 このまま身体の弱いゆっくりパチュリーの特性を含んだ複合種が増えればゆっくりは何十年の間に全滅するだろう。 「あー、専門的な用語が多すぎて概要しか分かんない・・・」 頭を抱えるメディスンに見かねたアリスがハーブティーを入れながら助言する。 「永琳の所に行けば良いじゃない」 「読んで分からないものは聞いても分からないわ。それに」 「それに?」 「そろそろ自立する頃じゃない」 その言葉にアリスはニッコリ、まるで自分の娘が成長した様に感心するように笑う。 ~あとがき~ ラストはごめんなさい。 今の幻想郷から少し時間が経った幻想郷のお話です。 時間の経過が出るように、少し悲しい。物寂しい話をしています その反面、八雲橙やそれぞれのリーダーになってチルノ、リグル。成長したメディスンには少し胸が躍ります by118 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/827.html
※スレの絵とコメントを見て書いてみた 『新ゆっくり製品販売!あらゆる家具がゆっくりに!?』 そんな広告を見た俺は、どんなものか気になったので見に行くことにした。 加工場が経営している販売所へ向かう。あまりに早く着いたおかげで、まだ開店準備の真っ最中だ。 たまたま店の準備をしていた店員に出会うと、少し早めに見物させてもらえると言う。 そんなわけで中に入ってみた。 が、中にあったのは箪笥やちゃぶ台、本棚といった家具。 ……さて、これのどこがゆっくり製品なんだろう? とか思っていた時だった。 「ゆっくりしていってね!」 突然、俺の近くからゆっくりの声がした。 が、声をしたほうを向いてみると、『木れいむサンプル』とかかれた札。 そして、そこらへんに立っているような木にゆっくりの顔を貼り付けた変なもの。 サンプルの立て札に、ちょっとした紹介と特徴も書いてあった。 要約すると、ゆっくりが出産の際蔓を生やすなら、ゆっくりが花を咲かせられるのではないか? と考えた研究者が実験の末に生み出した新種らしい。 結果としては花が咲くことはなかったが、その代わりがこの木れいむだそうな。 たまたまれいむ種で研究していたそうだが、他の種で可能なのかは現在研究中だとか。 いくつか貼ってある写真には、他のゆっくり研究者達。協賛には永遠亭の名前もあった。 特徴として分かっているのは僅かで 一見普通のゆっくりだが、妊娠して蔓を伸ばしだすと母体のゆっくりも木に変異する。 ある程度木として成長すると、普通のゆっくり同様蔓出産をする。 生まれた子ゆっくりは、一定の成長をしないで潰されると親同様の木として成長する。 くらいらしい。 説明をしばらく読んでいると 「でいぶのからだがあ゛あ゛あ゛!?」 なにやら騒がしい。後ろを振り返ってみた。 「もとにもどじでえ゛え゛え゛!!」 「なんでごんな゛ごどにい゛い゛い゛い゛い!!」 ここでやっと俺は理解した。 つまりこいつらは、この木れいむでできた家具というわけか。 今まで静かだったのは、ただ眠っていただけのようだ。 せっかくなので、製品も観察してみる。 最初に目についた箪笥を見てみた。 五段の引き出しがあり、真ん中の三段目にゆっくりの顔がついている。 展示品は汚さなければ少々いじってもいい、とのことだったので、遠慮なくいじってみた。 「おにいさん……れいむをもどして…………」 そんな懇願を気にせず、一発殴ってみる。 「ゆ゛うっ!!いたいよおにいさん、なにするの!!」 変形しても痛覚は残るらしい。なら引き出しを引っ張ったときはどうなるのだろう。 顔の部分の引き出しを引っ張ってみた。 「ゆ!!おそらをとんでるみたい!!」 ……あれ?てっきり痛がると思ったんだが。 そう思いながら木れいむの顔を観察してみた。 顔は飾りではなく、感覚器官として動いていた。触った感じもこのあたりだけ少し柔らかい。 動けるころの名残かゆっくりが食べられるものも一応食べるらしい。 ふと、ある考えが頭をよぎった。 さっそく実験をしながら、しばらくれいむをなでたりして遊ぶ。 しばらくは俺に気を取られていたれいむだったが、少し落ち着かない様子で 「おにいさん!れいむをもとにもどしてね!!こんなかたちはゆっくりできないよ!!」と言ってきた。 さすがに木れいむの状態に戻すことは俺でもできないため、引き出しを押し込めた。 ……さっきからずっと蹴りをいれた箪笥に。 「ゆぐううううううう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!?!?」 やっぱりだ。こいつは顔のある部分だけ感覚がある。 つまり、顔と他の木の部分を切り離すと、顔は木に受けたダメージを感じない。 だが顔を木に戻すと感覚が繋がってダメージが顔にも伝わるという訳だ。 「いだいよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 痛いのはこっちだ。感触がまんま木なので蹴ったりすれば俺も痛い。 虐待お兄さんなら話は別かもしれないが。 その日、俺は木れいむ製の小さなテーブルを買うことにした。 ここまでさせておいてもらって何も買わないってのは、ちょっと気が引けたからな。 「むーしゃ、むーしゃ……」 使ってみるとこれがなかなか便利だ。 基本的に放置していても平気だそうだが、テーブルにこぼした水や食べカスなんかは口に持っていけば処分してくれる。 虐待したい時には適当に物をぶつけたりすればいつでもゆっくりの悲鳴が聞ける。餡子の始末が面倒という人には、気軽に虐待ができると評判だ。 廃棄するときには、砕いて薪にでもすればいい。 『ゆっくり家具第二弾!!ご要望の多かった小さな家具も実現!!』 そんなチラシをテーブルに伏せると、俺は出かける準備を始める。 その中身を理解したテーブルれいむは、使われだしてから久しく涙を流した。 終 レスを見てすぐに書き出したのにすでに先を越されてた……ゆっくりしないで書いた結果でもこれかよ! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/248.html
虐待スレ17の771 んじゃ余計な前置きいらないから、出会ったゆっくりを人間が次々と踏みつぶして駆除していくSSきぼん という天の声を聞いて勢いで書いてみた。 私は野生のゆっくり駆除のために村で雇われたお兄さんだ。 今日も駆除のために鉄底のついた丈夫な革靴を履き 杖とミスドのドーナッツが10個入った紙袋とゴミ袋を持って森に出掛ける。 ドーナッツを食べ尽くさないようにチビチビ食べながら森を歩いていると 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「はいはい。ゆっくりゆっくり」 親れいむと子れいむ4匹の家族のようだ。 私が食べてるものが気になるのか警戒することなく近づいてくる。 すかさず私は親れいむを踏みつける。 「ぶぎゃ!?」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛!」 「おがあざあああああんんん!」 「なんでえ゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ!」 「やべでぇぇぇっ!! 」 「なにじでるのおぉぉぉっ!!?? 」 うるさい事を言ってくるが気にせず 子れいむを踏みつけていく。 「もっどゆ゛っぐく゛り゛じだがっだよ゛お゛ぉぉぉ!!」 「ゆるじでえぇぇ!!」 「やだああぁぁ!」 ちっ、2匹の子れいむは踏める範囲から逃げていた。 そこで杖を使い、子れいむを叩く。 「いだいいぃぃ!」 「ゆっぐり゛じだげっががごれだよおおお!!!」 ゆっくり達の断末魔を後にして、また森の散策を始める。 しばらくするとゆっくり達の悲鳴が聞こえてきた。 私と同じことをしている人がいるのかなと見に行ってみると そこには、ゆっくりれいむとゆっくりまりさがゆっくりアリス2匹に襲われていた。 「ぎもちいいよおおお、そろそろすっきりしようねえええええ!」 「ハァハァ!れいむのりぼん、かあいいいよおお!」 「やめでえええええ!!!」 「ずっぎりじだくないいいいい!!」 ヤレヤレと思いつつ、4匹のゆっくりに近づいていく。 ゆっくりアリス達は行為に夢中なのかこちらに気付かなかったが ゆっくりれいむとゆっくりまりさはこちらに気付いたようだ。 「おにいさあああん、だずげでええええ!」 「じにだぐないいい!!!」 助けを求められたならば助けてあげねばなるまい。 大きく踏み出し、ゆっくりまりさを踏みつけ、ゆっくりれいむを杖で思い切り叩く。 「ぐるじいよおおおおおお!!」 「おにいさん、ひどいことしないでええええ!!」 「その苦痛から助けてあげたんだよ」 ゆれいむとゆまりさが潰されたにも関わらず、まだこちらに気付かないゆっくりアリス達。 ほんと性欲魔人だな。 「まりさ!まりさぁぁぁっぁさぶっ!!??」 「すっきりさせぇぇぇぇぇえぐっ!!?」 見ているのも嫌になったので、すぐに踏んで静かにしてあげた。 やっぱ森は静かなのほうが良いよね。 そしてまたドーナッツを食べながら、散策を再開した。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 1時間ほど歩いているとまた声をかけられた。 振り向いてみるとそこには6匹のゆっくりまりさ一家がいた。 警戒しているのかこちらに近づいてこようとはしない。 だが、逃げようともしない。私が持っているドーナッツが気になっているようだ。 「はいはい、ゆっくりしていってね」 「ここでゆっくりしたいならごはんちょうだいね!」 「おにいさん、おいしいものゆっくりたべさせてね!」 「たべたい!たべたい!」 「たくさんあるから良いよ」 と言って近づこうとすると 近づいた分、後ろに下がるゆっくりまりさ達。 「ん?欲しいんじゃなかったの?」 「それをこっちになげてね!」 「ゆっくりなげてね!!」 「にんげんはこわいからあまりちかづかないでね!」 なるほど。ドーナッツは気になるが警戒心が強いため人間に近づかれるのはイヤなようだ。 だったら人間に近づくなと思うが、警戒心より食欲のほうが強いのだろう。 もっとも私はそんな警戒心のあるゆっくりのためのドーナッツも持ってきている。 箱の隅に置いておいた痺れ薬入りドーナッツを2個手に取り、人数分に千切ってからゆっくり達に投げてやる。 「ほら、みんなでお食べ」 「おにいさん、ありがとおおお!」 「うっめ!めっちゃうっめ!!」 「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「とろーりあまーい!!!」 その様子を眺めていると、薬の効果が効いてきたのか 「ゆっ!ゆっ!からだがしびれてきたよ!!」 「からだがうまくうごかないよ!!」 「なんでええええええ!!!」 薬が効いてきたことを確認すると、ゆっくり達に近づいていく。 「ゆっ!おにいさん、こっちにこないでね!」 「ゆっくりどっかにいってね!」 「まりさたちはここでやすんでいくから、おにいさんはおうちにかえってね!」 そんな声を無視して、近づいてにっこりと笑いながら告げてあげた。 「ゆっくり死んでね」 最初の1匹目はゆっくりまりさ一家に恐怖してもらうために一撃で潰してあげた。 親まりさは声がうるさいので舌と下顎を思い切り踏みつけ喋れないようにした。 残りの子まりさ達は加減をして何度も踏みつけ、徐々に踏み力を強くする。 「ゆー、やめでえええ!」 「な゛に゛す゛る゛の゛お゛お゛お!」 「なんでこんなひどいことするのおおお!」 「じにだぐないいい!!!」 「おかあさん、だずげでえええ!!」 ゆっくり達の絶叫を聞きながら 丹念にそしてすぐには死なないように叩いたり踏んたりしていく。 だが、そんな楽しい状況も長く続かず10分もすると子まりさ達は全員死んでしまった。 「ゅ!ゅ!ゅ!」 親まりさは、舌と下顎を潰されたため、声を上げることも逃げることも出来ず 滂沱の涙を流しながら子まりさが死んでいくところをずっと見ていた。 どれくらい餡子が美味しくなったかなと頬を千切り、中の餡子を食べてみる。 親まりさは体の内部を弄くられて狂ったような体を震わせる。 「う~ん。けっこうなお味で」 「ゅーゅーゅー」 なかなかの美味だったので、ドーナッツの紙袋の中に親まりさの餡子を1/4ほど入れ持って帰ることにし 「あとは森の生物にゆっくり食べられてね」 とだけ言い残し、日も傾きかけてきたので帰ることにした。 親まりさは泣きながらこちらに何か言おうとしているが喋ることが出来ず唸っていた。 意識を残したまま放置され、森の虫たちにゆっくり食べられ苦しみながら死んでいくことだろう。 私はゆっくりまりさが嫌いなのだ。 帰る途中でまたゆっくりれいむ一家に出くわした。 美味しいものを持っていると匂いに釣られてゆっくり達が寄ってくるから笑いが止まらない。 「これをあげるよ」 と言って、使わなかった残りのしびれ薬入りドーナッツを投げてやると 一目散に落ちたドーナッツに駆け寄るゆっくりれいむ達。 生存本能より食欲のほうが勝ってるってのは生物としてどうなんだろうなと思いつつ 動けなくなったゆっくりれいむ一家を用意したゴミ袋に詰めていく。 「さて、家に戻ってこいつらをどうやって料理するかな」 fin このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1569.html
たまには普通に虐めてみる。 「ゆ~ゆゆ~♪」 森を歩いているとゆっくりれいむを見かけた。どうやらえさを集めているようだ 花やらバッタやらを口の中に収めている。 「ゆう!こんなところだね!ゆっくりかえろうね!!」 そんなことをいいながらぴょんぴょん跳ねて移動するれいむ。 独り言の多いやつだなぁ。 そんなことを考えながら俺はれいむの後をこっそりつけていった ああ、ちなみに俺は虐待お兄さん。鬼ってほどじゃないけど虐待は大好きさ。 たまにゆっくりを蹴っていじめるとすっきりするよね。 「ゆ!!ただいまだよ!!」 そんなことをいいながら巣の中に入っていくれいむ。きちんと入り口を木片や草で隠すのも忘れない。 巣は少し膨らんだ地形の地面を掘って作られていた。おそらく自分で掘ったのだろう。 雑草で少々分かりにくいように出来ており、なかなかよい巣であった。 ゆっくりは木の根元に作ることが多いのだが、このゆっくり一家はそういうわけではないようだ。 俺は位置を確認するといったん家へと帰っていった。 しばらくしてスコップを持って、また巣のところに戻ってくる。 こっそり入り口を少し開けて声を聞く。 「ゆっ、ゆゆっ」 「ゆぎぃ!」 「はんてい、れいむのかち!!」 「ゆ~、おねえちゃんつよい~」 どたばたとする音と騒ぐ声。どうやら相撲をやってるようだ。 全員いるようだが…ゆっくりという名前なのにゆっくりしてねえな、こいつら。 俺は近くの土を掘り、それをまず入り口にかけて固める。 完全に固まったのを確認すると巣の屋根に当たると思われる部分を軽く掘ってスコップで叩いた。 「ゆ、なんだかおかしいよ!!」 「なんだかやねがくずれてくるよ!!」 「やねさんゆっくりしてね!!」 「みんな!!きけんだからだっしゅつするよ!!おかあさんについてきてね!!」 下から声がする。俺が土を叩いているので崩れだしたようだ。しかしこいつら声でけえな。 声を確認しながら大体の巣の形を把握。騒ぎながら移動するので結構楽である。 どんどん 「ゆゆ!!いりぐちがあかないよ!!」 「どうじでー!!」 「このままじゃゆっくりできないよ!!」 入り口辺りで騒ぎ出すゆっくり達。そしてその上を掘ってさらに恐怖をあおる俺。 そろそろかな 俺は入り口辺りの屋根の部分と思しき所を思いっきり踏みつけた。 「ぶぎぃ」 「ゆ」 一気に崩れる土。声的に親れいむ辺りがつぶれた音か。他にも一匹つぶれたようだ。 「おがーざんがあああぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」 「おねーぢゃーーーーん!!!!!!!!!!!!」 その光景を見たのか叫ぶ子ゆっくり。よしよしいい感じだ。 「ここじゃあぶないよ!!さっきのへやにもどるーー!!」 「れいむももどるー!!」 「ゆっくりしたいよーー!!」 一気に崩れた光景をみたためか移動していく声。どうやら入り口から奥の部屋に戻ったようだ 普通なら掘り進んでも入り口にいるのが正しいのに…さすが餡子脳。 声が移動するのにあわせて地面を叩いて崩落させる俺。それほど厚くないので思ったより簡単だった。 「やめでーーーーー!!!!」 「やねさんゆっぐりじでね!!!!」 「ゆっぐりでぎないよ!!」 あるていど入り口を埋めた辺りでストップ。さすがに疲れた。 「ゆううう、やっとおさまったよ」 「やっとゆっくりできるよ」 「ゆっくりしようね」 どうやらゆっくりし始めた子ゆっくり達 さっき親が死んだのにもう忘れたのか しばらく休憩してからまた軽く屋根の部分を掘る。今度はゆっくりしてるからか子ゆっくりはきづいてないようだった。 だいぶ掘り進んだしこんなとこかな。 「せー…の!!」 ぼすんっ!! 『ゆびぃ!!』 思いっきり踏みつけると部屋の部分の屋根に当たるところが一気に大崩落を起こす その影響で全ての子ゆっくりが巻き込まれた。 「こりゃすげぇな」 崩壊した巣から這い出しながらそんな感想をもらす。 苦労して掘った巣がこうやって一気に壊されるとはゆっくりも思わなかっただろう。 「あー、でも結構重労働だったわりにはあんまり苦しめられなかったか…」 疲労感から近くの地面にねっころがる。 さすがに二度とやる気は起きそうになかった。 ~~~~~~ 思いついて一気に書き上げた作品です。 人間に従うゆっくりの群れネタを書いてたら、スレで協定話が盛り上がってたらしく それ関係のネタがたくさん出てきて結構かぶってしまうという状態に もう少し早く書き上げればよかった ゆっくりした結果がこれだよ!! 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 このSSに感想を付ける